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p.79 抽出テキスト

PQ 11

d. SG留置後に関して

大腿膝窩動脈病変に対するSG治療後は,国内試験結果から少なくとも6ヵ月以上のDAPT継続投与が望ましいとされている457).バルーン拡張型ステントグラフト(VBX, Lifestream)に関しては,国内試験の結果から6~9ヵ月程度のDAPTが望ましいと考えられる.

至適DAPT期間に関しては,患者や病変の血栓リスク及び出血リスク等を勘案し決定されるたべきである.一方でわが国におけるリスク評価に関する検討は十分とは言えない.また,CAD・頸動脈疾患合併例や同時期の治療例,抗凝固療法内服患者,外科的手術等に伴う抗血栓薬の一時休止に関してもエビデンスの蓄積が必要と考えられ,今後の検討が待たれる.

4.4.2 外科的バイパス術後抗血栓療法

鼠経靭帯以上動脈領域に対する人工血管を用いた外科的バイパス術後グラフト閉塞予防に対する抗血小板剤投与の要否について明確なエビデンスはない.一方で,鼠経靭帯以下動脈人工血管 抗血小板剤(アスピリン)は,鼠経靭帯以下のバイパスグラフトの1年開存率を改善すると報告されているが,その効果は主に人工血管バイパスにおいてのみであった759).バイパス術後の開存率改善目的に施行されたアスピリン単独(SAPT)とアスピリン+クロピドグレル(DAPT)併用のRCTでは,DAPTの優位性は認められなかった.しかしながら,人工血管バイパスのサブグループ解析にてDAPTによる開存率改善効果が認められており人工血管による鼠経靭帯以下バイパスでは,術後6 ~24ヵ月でのDAPT投与を考慮しても良い760).バイパス後のワルファリンを用いた経口抗凝固療法の開存率改善効果について,複数のRCTが行われたが,人工血管グラフト開存への効果は限定的であった.一方で,出血性イベントは明らかに増加することが報告された317, 319, 759, 761).よって外科手術後に,アスピリン内服に恒常的な抗凝固薬追加投与は推奨されない2, 319).

自家静脈グラフトに関しては,人工血管グラフトと比較し抗血栓療法に関するエビデンスが乏しいが,SAPTの長期投与が推奨される759).抗凝固薬に関しては,前述のように静脈グラフト開存への効果は認めず推奨されないが, spliced vein graftやpoor runoffといったグラフト閉塞リスクの高い患者では出血リスクが低ければ追加投与を考慮してもよい759). LEADに対するカテーテル治療後に全身麻酔

下の非心血管手術を行う際,抗血小板薬は中止可能か? Answer手術に伴う出血のリスクと治療部の血栓閉塞のリスクに鑑み症例ごとに決定する.

LEADに対するEVT後抗血小板療法の目的は,1心血管イベント低減,2標的病変部における血栓症予防,である.すなわち,非心血管手術を行う際の抗血小板薬の休薬にて,周術期の心血管イベントと標的病変部の血栓症リスクが上昇する可能性があることを忘れてはならない.抗血小板薬休薬の必要性を決定するポイントは手術の緊急性,出血リスク,心血管イベントリスク評価の3点にある. 1)心血管イベントリスクについて

症候性LEAD患者に対するEVT後には,心血管イベント抑制のため,アスピリンまたはP2Y12受容体拮抗薬1剤の終生投与(SAPT)が推奨される.また,PAD患者は,高率に CADを合併する事が知られておりPCIやバイパス手術の既往をもつことも少なくない.このためPADに対する治療後非心臓手術における抗血小板療法は,下記に示すPCI後の症例に対する推奨(2020 年 JCS ガイドラインフォーカスアップデート版 冠動脈疾患患者における抗血栓療法762))に準ずることが妥当である.

心血管疾患を有しアスピリンを服薬している症例に対する非心臓手術は,アスピリン継続による心血管イベント抑制のメリットが出血リスクのデメリットを上回り利益をもたらすため763, 764),原則としてSAPT継続(アスピリン投与)下での手術が基本となる762).この例外としては,出血リスクが著しく高い,もしくは周術期出血が重篤な状況を引き起こす可能性が高い頭蓋内手術や脊椎手術,泌尿器科手術,膵頭十二指腸切除術などが挙げられる.手術7日前からのアスピリン中止を考慮しても良い.逆に,出血リスクの低い処置(体表手術,内視鏡的検査,歯科処置など)では血栓リスクを考慮したDAPTの継続も許容される.CADの治療歴,心筋梗塞の既往などを有する症例は抗血小板薬中止による心血管イベントリスクが特に高く,周術期のSAPT中止の判断は慎重にすべきである.アスピリンに代わってクロピドグレルが心血管イベント抑制のために継続投与される事も少なくない307)が,P2Y12受容体拮抗薬継続下における非心血管手術周術期の出血リスクに関する十分なエビデンスはなく,今後のエビデンスの蓄積が待たれる. 2)標的病変部における血栓症に関して

EVT後のDAPT期間は,デバイスごとに1ヵ月~半年の