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p.74 抽出テキスト

ゲン ペルプラスミドが「標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な閉塞性動脈硬化症(ASO)及びバージャー病における潰瘍の改善」を効能・効果又は性能として,条件および期限付で承認され,公的医療保険の適用対象となった. ii.  線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor:

FGF) FGFは,線維芽細胞をはじめ,血管内皮細胞,血管平滑筋細胞などに対し増殖,遊走の促進,保護,分化誘導効果を惹起する.

塩基性線維芽細胞増殖因子(basic FGF: FGF-2)遺伝子を搭載したF遺伝子欠損非伝搬型組換えセンダイウイルスベクターを用い,PAD患者を対象とした第I/IIa相試験706)で,高い認容性・安全性が確認され,安静時疼痛の消失と歩行機能の改善が見られた(表45 ) 704–706).これを受け,高度間歇性跛行患者30例を対象にプラセボ対照,並行群間用量探索第IIb相治験を実施中である. b. 細胞治療

多くの臨床試験で,EVTやバイパス手術等の血行再建術の適応外,または血行再建術を試みてもCLIが遷延する症例を対象にしている.自家細胞が用いられることが多く,細胞源は骨髄,末梢血(顆粒球コロニー刺激因子[granulocytecolony stimulating factor: G-CSF]動員または非動員),皮下脂肪組織,または胎盤であるが,骨髄が最も多い.細胞採取・処理方法には,1骨髄液の濃縮,2比重勾配遠心分離法または血液成分分離法による単核球(mononuclear cell: MNC)分離,3CD34抗原等に特異的な磁気ビーズ付き抗体を用いた磁気細胞分離法による血管内皮前駆細胞(MNC中に0.1~2%含有)純化,4骨髄,皮下脂肪組織又は胎盤を細胞源とする間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell: MSC)培養,および非培養等がある.投与経路として,主に筋肉内または動脈内が用いられる. i. 自家骨髄MNC,G-CSF動員自家末梢血MNC

1)自家骨髄MNC CLI患者に対する二重盲検無作為化試験(PROVASA試験) 707)では,ABI,救肢率およびAFSは,骨髄MNCおよびプラセボの両群間に差がなかったが,骨髄MNC移植による用量依存性の潰瘍治癒と有意な安静時痛改善が認められた.第II相(JUVENTAS)試験708)では,治療後6ヵ月の大切断率は,骨髄MNCおよびプラセボの両群間に差がなかった(表46 ) 708, 711, 714).

わが国では,TACT試験の成績709)を基に,2003年にCLIに対する骨髄MNCの下肢筋肉内移植が高度先進医療に承認された.先進医療制度の下で骨髄MNC移植を受けたCLI患者での移植後10年のAFSは,ASOおよび膠原病関連血管炎に比し,TAOで最も高かった710)ため,2018年からTAOに対する先進医療Bに引き継がれている. 2)G-CSF動員自家末梢血MNC G-CSF動員自家末梢血MNC治療も2005年にわが国で高度先進医療に承認された.その後,LEAD患者に対するIMPACT試験711)では,1年後の非増悪生存率は,対照群に比して細胞治療群で改善傾向が認められた(表46) 708, 711, 714). ii. G-CSF動員自家末梢血CD34陽性細胞

わが国でのCLI患者に対する第I/IIa相試験712)では,細胞治療後1年以内の死亡・下肢大切断は発生せず,潰瘍・壊死サイズ,虚血性疼痛等の改善が認められ,CLIからの離脱率は治療後1年で88%であった.医師主導治験でも,第I/IIa相試験の成績がほぼ再現された713).米国でのACT34-CLI試験714)で,細胞移植群ではプラセボ群に比して,下肢切断率が低い傾向を認めた(表46)

708, 711, 714).わ

が国において2017年よりCD34陽性細胞の薬事承認を目指した多施設共同無作為化試験(NCT02501018)を実施中で,厚生労働省より先駆け審査指定を受けた.

また,維持透析中のCLI患者に対する第II相試験715)で

表45 これまでのCLI に対する遺伝子治療のまとめ

試験または報告者名ベクター/ プロモーター投与経路相被験者数主な結果HGF-STAT704) phHGF/ MIEhCMV筋肉内II 104観察期間6カ月.高用量群でTcPO2,安静時疼痛の改善.下肢切断率に有意差なし. TREAT-HGF705) phHGF/ MIEhCMV筋肉内III 40観察期間3カ月.安静時疼痛・ABIの改善と皮膚潰瘍縮小.下肢切断率に有意差なし.米満706) rSeV/dF-hFGF2筋肉内I//IIa 12観察期間6カ月.安静時疼痛の改善,絶対跛行距離の延長. CLI, critical limb ischemia, ABI, ankle-brachial index; MIEhCMV, major immediate-early enhancer/promoter from human cytomegalovirus; rSeV/dF, recombinant Sendai virus/fusion-gene-deleted; TcPO2, transcutaneous oxygen pressure.