p.68 抽出テキスト
の早期介入が重要である.血流が比較的保たれている場合,高度感染がしばしば観察され,ガス壊疽または敗血症への進行を防ぐためにデブリ―ドマンまたは大切断が緊急に行われる620, 621). 創傷に対しては,明らかな感染のある組織のみを先ず切除し,再建せずに創傷を閉じることのないダメージコントロール手術が施行される.その後,全身状態が安定した後,軟部組織再建手術を行う.外科的デブリードマンに加えて抗菌薬の全身投与も必須である. 創傷評価は,創傷治癒期間が異なるため,創傷の部位と創傷の深さで行うべきである23, 52).特に深い潰瘍や骨露出症例ではprobe-to-bone testを行って,骨髄炎について評価すべきである52, 622). 低アルブミン,低BMIは,CLTIのリスク因子であるとともに,創傷治癒障害の重要な因子である276, 508).栄養状態はPQ9で述べるスコアを用いて評価する607, 608, 623). ii. wound bed preparation/外科的デブリ―ドマンと 小切断術wound bed preparation(WBP)の概念は,血行再建後の十分な血流が確保されたCLTIなどの,創傷治癒機転が正常に進行しない慢性創傷に対する管理として世界的に使 用されている617–619).WBPは,壊死組織(tissue),炎症/感染(infection/inflammation),滲出液の創傷治癒に関連するサイトカインの不均衡(moisture),創縁のポケット(edge of wound)などの4つの項目(TIME)に関して体系的に治療介入し,慢性創傷を通常の治癒経過をたどるような創傷へ転換させる618, 619).CLTIにおけるWBPでは,壊死組織除去と感染管理が特に重要である.最初に,小切断と壊死領域の切除を行い,その後,創傷を洗浄し,外用抗菌薬を使用して局所感染を制御する613).創処置ごとに行うメンテナンスデブリードマンは,創傷治癒期間を短縮する609). 小切断における切断レベルは,創傷治癒,血流状態および歩行機能の観点から決定される610). 前足部病変の場合,第1中足骨と第2中足骨の間の外側足底動脈と背側動脈との連絡枝である動脈弓,このネットワークは可能な限り温存する必要がある.足部に至る1本のin-line flowしか血行再建ができない場合でも,このネットワークを介して逆行性に血行再建が可能になるためである. そこでこの近傍のデブリ―ドマンにおいては,創傷治療 CLTI ADL/年齢/栄養状態/心機能積極的治療一次切断・緩和医療 虚血高度(≧ischemia grade 2)虚血軽度(≦ischemia grade 1) 感染あり感染なし感染あり感染なし 治療のゴール 虚血ABI/SPP 感染 創傷評価 wound bed preparation# (デブリードマン・小切断)+ 血行再建血行再建 wound bed preparation 創傷治癒を促進する治療 再建術(植皮・皮弁) デブリードマン小切断 #感染と虚血のいずれかより重症な方の治療を優先して行うことを原則とし,いずれかを先行する場合は,両者の間隔はできるだけ短くすべきであるガス壊疽や壊死性軟部組織感染症がある場合には,早期に対応する 図13 CLTI 治療アルゴリズム