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p.67 抽出テキスト

要で,定期的な臨床評価(末梢動脈の拍動の触診,血管雑音の聴取,血行動態指標の測定)を実施することが推奨される.とくに静脈グラフトに関しては,上記の臨床的評価に加えてduplex US(DUS)による定期的サーベイランスが重要である.ABI≧0.15 の減少,症状の再発,脈の状態が変化した場合,またDUSでPSV>300 cm/sかつPSV ratio>3.5であった静脈グラフト病変あるいは低流速(グラフト中央部 PSV<45 cm/s)のグラフトに対して再介入を行うことが推奨される495, 600).グラフト狭窄の発生時には外科的修復あるいはEVTが行われる.一方,人工血管グラフトにおけるDUSサーベイランスの有用性についてはエビデンスが乏しい601).EVT後,特に大腿膝窩動脈領域に関しては,静脈グラフトと同様にDUSによる定期的サーベイランスが慣習的に行われるが,有用性のエビデンスは乏しい.DUSで検出された有意狭窄(PSVR>2.4)に対して,無症候の時点でEVTでの再介入に関して有効性が示されなかったという報告がある602).

4.3.6 創傷治療

表43 CLTI における創傷治療の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

壊死組織や感染を伴うCLTI の創傷治療においてはwound bed preparation を行うことを考慮する603 -606). IIa B比較的大きな創傷では,局所陰圧閉鎖療法(NPWT)を考慮してもよい522, 607 -612). IIb C

a. 治療目標の設定

わが国のCLTI治療において高齢者,透析合併等のハイリスク患者が対象となることが多い.CLTIの治療では血行再建術が第一選択であるが,治療を開始する前に,積極的に血行再建術を施行して下肢救済を目標とするのか,一次大切断術,あるいは疼痛緩和や感染制御を主体とした緩和的治療を行うかを決める必要がある.血行再建術(EVT・

● CLTIの創傷評価においてWIfI(創傷,虚血,足部感

染)を用いて行う. ● 創傷治療と血行再建のタイミングは,創傷治療医と

血行再建医が病態を総合的に評価し決定する. ● CLTIの大切断を回避するには,多診療科・職種によ

り構成された集学的治療チームによる治療を行う. ● CLTIに合併した骨髄炎診断は,画像診断は補完的に

用い,臨床症状を含め総合的に行う.

ステートメントバイパス術)施行症例においては,高齢者,低アルブミン

血症,低心機能,非歩行,フレイル,透析などを有する患者は,死亡リスクが高く注意深く患者を選択する必要がある205, 303). b. CLTI評価法と治療項目

近年,GVGなどのいくつかのガイドラインにおいて, WIfI(創傷,虚血,足部感染)分類を使用して評価することが推奨されている21, 23, 52, 610, 613).実際にはWIfIのWにあたる創傷の深さや部位や壊死組織などは創傷治療医により適切に評価されることが多いので,血行再建医にとって重要な評価項目は,虚血重症度と足部感染の有無の2つである.

CLTIの創傷管理において,治療アルゴリズムは,虚血と感染を評価する創傷評価から始まる614, 615)(図13).CLTIの悪化は急速に発生するため,これら2つの評価を迅速に実行し,その結果をできるだけ早く治療経路にのせる必要がある.診断・評価の遅延が創傷増悪を引き起こし,遂には大切断リスクを上昇させるので,原則として観察待機は行わない.

CLTIの治療において大切断を回避するために,多診療科・職種により構成されたチームにて集学的治療を行うことは重要である52, 603, 604).

CLTIでは感染または虚血が存在することが多く,外科的治療(デブリ―ドマンと小切断),血行再建術が必要である.実際には,CLTIの診断・治療は次の8項目に分けて考える.1創傷の評価(虚血/ 感染),2wound bed preparation/デブリ―ドマンと小切断605, 616, 617),3血行再建術,4創傷治癒を促進する治療,5再建軟組織の切断, 6免荷装具618),7リハビリテーション,および8再発の予防/予防的フットケア619). i. 創傷の評価

CLTIの創傷管理では虚血の有無を適切に評価することが重要である.CLTIに対して積極的治療を施行する場合,創傷治癒過程は,血行再建が成功しなければ開始されないため,デブリ―ドマンなどの局所治療を開始する前あるは同時に血行再建術を実施する必要がある606).血行再建術を行わずに虚血状態で外科的デブリードマンを行うと,虚血性壊死が進行することがある.ABI,SPP,およびTcPO2は,TBI,TPなどが客観的虚血の指標として使用される.透析症例では高度石灰化病変が多く,ABI値が正常を示す場合が多いため,現在は石灰化があっても虚血の評価が可能なSPPが使用されることが多い.

TcPO2,足趾血圧,SPPが40 mmHg未満の場合,創傷治癒が遅延するため,血行再建術はこれらの評価法で40 mmHg以上に改善することを目的として行われる610).

次に感染に関して,広範囲の高度感染症例では,創傷へ