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p.64 抽出テキスト

(PQ3参照).動物実験でのダウンストリーム効果に関する考察は散見されるが572),実臨床における根拠はない.わが国から報告されたRADISH研究では,DCB群において,非DCB群と比較して同等の創傷治癒率が報告され,ダウンストリーム効果が臨床的予後を悪化させない可能性が示された573).

DES,DCBの他に,わが国においてFP領域で使用可能なデバイスとして,ベアナイチノールステント(barenitinol stent: BNS),SG,編み込み型ナイチノールステント(interwoven stent: IWS)が挙げられる.患者・患肢背景を勘案しデバイスが選択されるべきである. iii. ハイブリッド血行再建

FP病変単独でハイブリッド血行再建が選択されることはないが,CFA病変合併,IP病変合併のFP病変においては,ハイブリッド治療の施行を考慮してよい.(詳細は「4.2.5.b.ii 総大腿動脈」を参照) d. 下腿足部動脈病変への血行再建術表42 CLTI における下腿足部動脈病変の管理の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

下腿動脈へのバイパスには大伏在静脈を使用し,使用できない場合には他の下肢/ 上肢静脈を用いて行う485, 574, 575). I B 2 年以上の生命予後が期待され,使用可能な自家静脈があるCLTI には,自家静脈バイパスを行う562). I B 2 年以上の生命予後が期待できない,もしくは使用可能な自家静脈がないCLTIには,膝下動脈に対するEVT を考慮する509, 562). IIa C外科的バイパス術において,中枢吻合部は体血圧との圧較差が10 mm 未満である最遠位部動脈で行う577). I C外科的バイパス術において,末梢吻合部は,足部動脈までの間に閉塞性病変がない下腿動脈,あるいは足部動脈において行う577). I B大切断が迫っている患者で自家静脈が使用できない場合は,人工血管による下腿動脈バイパスに加え,静脈カフあるいは動静脈瘻造設などの補助手段を講じることを考慮してもよい567). IIb B臨床的重症度が高く,創傷治癒遅延が予想されるCLTI に対しては,アンギオサムに基づいたEVT を考慮してもよい578). IIb B臨床的重症度が高く,特に創傷治癒遅延が予想される,もしくは創傷治癒遅延をきたしているCLTI に対しては,複数の膝下動脈病変へのEVT を考慮してもよい579, 580). IIb B

創傷治癒遅延をきたしているCLTI のIM 病変に対して,EVT を考慮してもよい563, 581). IIb C CLTIに合併した膝下動脈病変に対する古典的バルーン血管形成術(plain old balloon angioplasty: POBA)によるEVTは広く行われているが,その長期開存は極めて限定的である.個々のCLTIにおける患者リスク,動脈病変の複雑性,足病変重症度の因子を検討して以下のいずれかを選択する. i. 外科治療

中枢吻合部はより中枢に有意な病変のない部位が選択される.適切な選択であれば,総大腿動脈でなくても開存率に差はない485).グラフトは自家静脈の使用が強く推奨される574).大伏在静脈が望ましいが,不足する場合は小伏在静脈や上肢の静脈が使用可能である485, 575).これら2本以上の静脈を組み合わせたspliced veinでの使用も許容される.これらの使用法として,reversed法とin-situ法を含むnon-reversed法があり,吻合部動脈と静脈グラフトの口径差が大きい場合は後者が好んで選択される.RCTのサブ解析によるとreverseとnon-reversed法,中枢吻合部位において開存率に有意差は認めなかったが,spliced vein/ arm veinとsingle great saphenous vein使用,グラフト径,グラフト長は開存率に関与することが示された485).十分な自家静脈が存在しない場合,ePTFEグラフトを使用し静脈カフや動静脈瘻(arteriovenous fistula: AVF)を付加して開存率を改善させる報告もあるが,きわめて限定的である582).

外科的バイパス手術の終了時には術中画像評価(血管撮影もしくはduplex USまたは両者)を行い,重大な技術的な問題があった場合には可能であれば術中に修復する583, 584). ii. EVT 1)標的血管の選択

足関節以下(infra-malleolar: IM)病変は臨床転機に大きな影響を与えるため,詳細な血管造影が必要である14, 45, 515). IP病変へのEVTの標的血管選択の基本は,解剖学的に最も治療難易度の低い血管を1本再疎通させること(in-line flow to the foot)である52).しかし,その1本が臨床的に十分なアウトカムをもたらすか否かは,さまざまな要素が関係し,単純な予想は難しい.現時点で,IP病変のEVT施行時