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p.61 抽出テキスト

● 患者リスク,患肢重症度,病変の解剖学的重症度

を評価したうえでリスクを層別化し,外科的手術, EVTもしくは保存的治療を選択する.

表38 CLTI を呈するLEAD の治療方針の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

救肢のために可及的速やかに血行再建を行う1, 23, 45, 52, 53). I A患者リスクは,年齢,ADL,フレイリティ,栄養状態に加え治療抵抗性心血管病,糖尿病,透析,貧血,対側肢の状態から評価することを考慮する206, 547). IIa C使用可能な自家静脈の有無により外科的手術もしくはEVT を選択することを考慮する23). IIa A

CLTI治療の目的は,大切断の回避および生命予後の改善である.疼痛の軽減,組織欠損部位の治癒,歩行機能の維持・改善も目標とされる53).第一選択治療は,血行再建術である1, 45).しかし,わが国の患者は海外と比較しても高齢,やせ,低栄養,高い割合での糖尿病罹患や維持透析患者,膝下以下単独病変など特殊な患者背景・病変背景があり,個々の症例を十分に検討したうえで治療方法の選択をするべきである.高齢患者や寝たきり・進行した認知症患者,極度のやせ,透析患者および心脳血管障害を有する患者の生命予後は2年程度かそれ以下とされ205),血行再建施行そのものが困難な患者や恩恵が少ない患者も実在する555).血行再建を行うべきか,血行再建により症状改善が乏しい,もしくは生命予後が短い場合は一次切断を行うべきか,疼痛緩和や感染制御を主体とした緩和的治療を行うべきかを十分に検討すべきである169).近年,多専門職がいわゆる集学的治療チームを構成し治療介入をすることが治療効果の改善を促すとされる556, 557).一方で高度虚血を有するも無症状である,いわゆるsubclinical critical limb ischemiaに対しては原則血行再建術の適応にはならない365, 558).

CLTI患者において適応があると判断した場合は,外科的手術かEVTもしくはその両方のハイブリッド血行再建を選択する.Global Vascular Guideline 52)においてはPLANアプローチが提唱され,患者リスク(Patient risk),患肢重症度(Limb severity)および解剖学的重症度(ANatomic stage)において血行再建術のリスクを層別化したうえで外科手術かEVTを選択することが推奨された.患肢重症度は,傷の大きさ(Wound),虚血の程度(Ischemia)および感染の有無(foot Infection)から診断判断できるWIfI分類を用

いる23, 52, 559–561).また,解剖学的重症度は原因となる,また治療目標となるtarget arterial pathが重要であるという考えの元,これまでのTASCII分類に代えてGLASS分類での評価が提唱され,大腿膝窩動脈領域および下腿動脈領域の層別化を行うべきとされる52).広範囲の傷や重症感染合併例および小切断の既往,治療抵抗性のCLTI,両側CLTIは外科手術向きであり,血管疾患の治療抵抗性,貧血,糖尿病,透析や対側大切断患者はEVT向きであるとするSPINACH研究の結果は日本人の患者リスク層別化として有効である547).加えてSPINACH研究は,データに基づいた日本人CLTI患者の生命予後予測モデルを提唱しており,生命予後に関わる年齢,BMI,腎機能,心機能,組織欠損の大きさ,および歩行能などによって患者リスクを評価することを推奨する206).外科的手術を選択するにあたっては自家静脈が使用可能か否かを評価する.初回血行再建が不成功に終わる場合を考慮して,次のオプションを残すことも考慮する23, 45, 52, 559).

血行再建が成功しても,薬物療法,周術期の適切なデブリードマン,小切断や適切な創傷管理,適切な栄養管理,適切な感染コントロールが治療成功には必須である.創傷治癒が不良である場合には,創傷に対する血流を客観的に確認,感染特に深部感染の有無を確認するとともに,創傷治癒困難例については各種薬剤,高気圧酸素療法,LDLアフェレーシス,あるいは再生医療などの補助療法の併用を考慮する.

4.3.5 血行再建

● CLTIへの血行再建方法は,予想される生命予後,併

存疾患,および自家静脈の有無から総合的に判断し,決定されるべきである. ● 足首以下病変の存在は,CLTIの臨床転機に影響を与

えるため,血行再建施行前に,足部レベルまでの詳細な血管造影評価が必要である. ● 血行再建術を施行する際の標的病変選択は,虚血性

創傷へのflowやrun-off,血管径,狭窄度,石灰化重症度等で決定される.

ステートメント