p.48 抽出テキスト
25 cm 以上の病変にはバイパス術を考慮する448 -451). IIa C膝上,膝下に因らず,大腿膝窩動脈バイパス術における代用血管には伏在静脈グラフトを行う448 -451). I A大腿膝窩動脈バイパスに先立ち,大伏在静脈の状態を画像診断(duplex 超音波ないしMDCT)にて評価を考慮する452, 453). IIa C高度な石灰化,末梢側血管径5 mm 以下,ステント再閉塞例で手術リスクの低い患者に対してはバイパス術を考慮する454, 455). IIa C大腿– 膝上膝窩動脈バイパス術において適切な伏在静脈グラフトがない場合には,代用血管として人工血管を考慮する319, 451, 456). IIa A 1)EVT 運動療法,薬物療法で跛行症状の改善が望めない症例ではEVTが選択される機会は多い.問題の遠隔期開存率に関しては新規デバイスの登場により改善してきたため, 25 cm未満の病変に対してはEVTを第一選択とし444),25 cm以上の病変に対しては自家静脈を用いたバイパス術を第一選択とする.バイパス術が困難な患者病変背景がある症例では経験豊富なチームが行い,将来起こりうる外科手術の妨げにならないのであれば25 cm以上の病変に対してEVTを考慮しても良い445).しかしながら,2年以上の長期成績に関するエビデンスが不足していることには留意する必要がある. 2) ヘパリン結合ステントグラフト(heparin-bonded stentgraft) RCTで行われたVIASTAR試験444)で長区間病変に対するステントグラフト(stent graft: SG)とベアメタルステント(bare metal stent: BMS)の12ヵ月一次開存率を比較し, 20 cm以上の長区間病変においてSGの開存率はBMSに比べて有意に良好であり(SG 73.3% vs. BMS 33.3%),わが国においても長区間病変に対するSGの有効性が報告454, 457)されている.留置に際しては適切な径のサイジング458),両ステントエッジの正常部位への着地,側副血行路への影響を考慮する必要がある.再狭窄はステントエッジ付近に生じることが多く再閉塞すると血栓の関与などで治療に難渋するため,再血行再建のタイミングは厳密なUSによるフォローを行いながら慎重に決める必要がある. 3) 薬剤コーテッドステント(polymer free paclitaxel- coated stent: DCS) RCT で行われたDCS(primary DCS +provisional DCS)とstandard care(provisional BMS+optimal経皮的血管形成術[percutaneous transluminal angioplasty: PTA])の比較試験においては平均病変長が約7 cmの病変においてはstandard careに比べて5年にわたるDCSの一次開存率は有意に高かった(DCS 66.4% vs. standard care 43.4%) 459). 4) 薬剤溶出性ステント(polymer-coated paclitaxel- eluting stent: DES) RCTで行われたIMPERIAL試験はDESのDCSに対する非劣性試験であった.平均病変長が約9 cmの病変において24ヵ月一次開存率はDESとDCSは同等であった. (DES 83.0% vs. DCS 77.1%,P=0.10) 460).IMPERIALのJapan cohortにおいてもDESの12ヵ月一次開存率は90.9%と良好でありDCSとは6.3%の差があった461).長区間病変に対してのDESの有効性もIMPERIALのサブ試験で12ヵ月一次開存率87%と良好で,現在わが国のDESが19 cmまで使用可能な根拠となっている462).2年後の効果についてもDESの効果は持続すると報告されており,注目されている慢性期ステント周囲の低エコーについても検討されているが,DES周囲への血液の流入サインはなく,有害事象との関連は認めなかった460).また,ステント周囲の低エコーサインに関しては,DES以外でも報告されており,結論は得られていない463). DESの12ヵ月後の血管造影によるlate lumen lossはDCSに比べて有意に低かった464). 5) 薬剤コーティングバルーン(drug-coated balloon: DCB) IN.PACT(パクリタキセル量3.5 μg/mm 2):RCTで行われたIN.PACT SFA試験では従来のバルーン治療(PTA)とDCBの比較が行われ,約90 mmの病変において12ヵ月一次開存率は有意にDCBで高かった(IN.PACT 82.2% vs. PTA 52.4%) 465).現在わが国のIN.PACT DCBが20 cmまで使用可能になった根拠となるわが国でのRCTでは,3年後までのIN.PACT DCBの効果が報告されており,20 cm以下の病変においてIN.PACT DCBは有意にPTA群に比べて開存率は高かった(IN.PACT 68.9% vs. PTA 46.9%) 466). 20 cm以上の病変に関してはIN.PACT Global試験で平均病変長が約23 cmで12ヵ月一次開存率は85.3%と良好であったが,provisional stent率が46.8%と高く,わが国でDCB後のprovisional stentが認められていない背景を考慮すると20 cm以上の病変に対するDCBの使用は慎重に考慮されなければならない446).また,IN.PACT DCBのステント内再狭窄に対する効果も期待されている447, 467). Lutonix(パクリタキセル量2.0 μg/mm 2):海外で実施されたRCT(LEVANT II試験)においてLutonixの12ヵ月一次開存率はPTA群に比べて有意に高かった(Lutonix