p.42 抽出テキスト
でも歩ける距離に差があるのは,代償機能の差に由来する.主観的評価には歩行距離検査(疼痛出現距離測定や最大歩行距離測定)がある43–45, 56)(いずれも保険収載なし). ABIやTBI,PVRなどに明らかな異常値がなくても間歇性跛行などの下肢症状があり,運動負荷ABIが行えない場合,あるいはABI測定が不可能で下肢症状がある場合には,画像診断による血管病変の評価を考慮してよい. c. 画像検査(第2章「2. 画像検査」を参照)虚血由来の間歇性跛行と診断されれば,必要に応じて画像検査を行う.大動脈瘤の有無を含めた血管病変や周辺臓器を含めた全体マッピングには,CTやMRIが適する.血行再建術を考慮する患者には,画像検査が必須である.ドプラ超音波検査,コンピュータ断層血管造影(CT angiography: CTA),磁気共鳴血管造影(magnetic resonance angiography: MRA),血管造影検査などによって,動脈病変を詳細に把握する.造影剤の使用や被曝を含 め,侵襲的な検査はその利害を十分考慮したうえで,必要と判断される場合に施行する150, 378).血行再建術の予定がない患者には,侵襲的な画像検査は必須ではない.治療方針の決定においては,動脈閉塞の程度よりも日常生活の障害の程度を重視する. # 65歳以上. 50~64歳で粥状硬化の危険因子(糖尿病,喫煙歴,脂質異常症,高血圧など)あるいは家族歴がある. 50歳未満で糖尿病+1つ以上粥状硬化の危険因子がある.他に粥状硬化性の疾患(冠動脈,頸動脈,腎動脈,腸間膜動脈の狭窄,あるいは腹部大動脈瘤)がある. ABI低下>20%または足関節血圧低下>20 mmHg PVR異常* または振動信号不良** TBI: 足趾上腕血圧比PVR: 容積脈波記録SPP: 皮膚灌流圧TcPO2: 経皮酸素分圧: 必要に応じて間歇性跛行の重症度評価 有意狭窄(-)有意狭窄(+) 陰性陽性 TBI<0.7 SPP<30~40 mmHg TcPO2<30 mmHg 明らかな所見なし 下肢症状(-) 下肢症状(+) 動脈硬化症のリスクを有する患者# や,間歇性跛行や下肢症状のある患者 安静時ABI TBI(SPP/TcPO2)or PVR *または振動信号** 不可能で下肢症状(+) ABI>0.9 0.9≧ABI LEAD 画像診断(CT,MRI,エコー) LEAD疑い LEADは否定的 運動負荷ABIの回復時間測定,歩行距離検査 運動負荷ABI不可能 * PVR: upstroke time(UT)≧180 msec (大動脈弁狭窄症でも延長するので注意)または %mean artery pressure(%MAP)≧45% ** 振動信号の乱れ(不整脈や体動などによる乱れ にも注意) 図4 LEAD 診断のアルゴリズム