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p.37 抽出テキスト

肢血行再建術の既往,ABI<0.6 など)の患者に限定で,脳・心・下肢虚血の二次予防強化として,微量リバーロキサバンの追加投与を考慮してよいと提案された334). COMPASS試験のMACE予防に関して,アジア人(ハザード比 0.64)においても併用による効果は有意であったが, 75歳以上(ハザード比 0.89),低体重(60kg以下;ハザード比0.83)では有意でなかった328).

日本では現時点ではLEADの二次予防に対するDOACの保険適用はなく,微量製剤も販売されていない.

3  .合併する他臓器動脈疾患の管理

3.1 頸動脈病変への対応

表18 LEAD の頸動脈病変の管理の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

LEAD 患者に頸動脈US を行うことを考慮する150, 335). IIa C LEAD患者において頸動脈狭窄の併存頻度は高く,過去のメタ解析ではLEAD患者の14%に70%を超す頸動脈狭窄を認め336),また,集団研究では,LEAD患者の19%に50%を超す頸動脈狭窄を認めたと報告している337).また,REACH registryでは,LEAD患者の25%がCVDを有し172),わが国から登録されたPAD患者では21%がCVDを合併していたと報告している150).さらに,レジストリー全体でみると,CVDの合併は,LEAD患者ではCAD患者のおよそ2倍の頻度であったが,同レジストリーではCVDを一過性脳虚血発作と虚血性脳梗塞と定義しており,実臨床ではより高頻度に無症候性頸動脈狭窄を合併していることが予想される.

● 大規模レジストリーではLEAD患者の25%に症候

性CVDを合併していたと報告されている. ● LEAD患者が頸動脈狭窄を合併した場合の治療方

針に関しては,両疾患の重症度に応じて症例ごとに血行再建の優先度を決定すべきであり,一般的には症候性の疾患を優先する.(頸動脈狭窄症の治療に関しては第5章「頸動脈・椎骨動脈」を参照)

ステートメント2領域以上にわたる動脈疾患を有する多領域併発動脈疾

患は,単一の動脈疾患に比べて生命予後が悪いことが知られている.加えて,LEAD患者における頸動脈狭窄の併存は,心血管予後の独立した危険因子であることがREACH registryのサブ解析により示された335).一方,LEAD患者における頸動脈狭窄の併存は,下肢予後に影響を与えるエビデンスはない.多領域併発動脈疾患の発見を目的としたスクリーニング検査に関しては,現時点では推奨されない.その根拠となるRCTは,CAD患者を対象に全身の動脈疾患のスクリーニング検査を施行するか否かで一次エンドポイントである死亡および虚血イベント発生率を比較したものであるが,2年間の観察期間で一次エンドポイントに有意差は示されなかった338).したがって,原則として,臨床症状や身体所見によって他領域の動脈疾患が疑われた場合に精査を行えばよい.しかしながら,上述のごとくPAD患者に頸動脈狭窄の合併頻度は高いため,術前に頸動脈超音波検査(ultrasonography: US)を行うことを考慮する339).

LEAD患者が頸動脈狭窄を合併した場合の両疾患の治療方針に関しては,現時点では明確なエビデンスは存在しない.したがって,血行再建に関しては,両疾患の重症度に応じて症例ごとに優先度を決定すべきであり,一般的には症候性の疾患を優先する.無症候性LEADに治療適応はないことを考えると,無症候性の高度頸動脈狭窄を合併したLEAD治療が臨床上問題となるが,全身麻酔リスクの程度,CLTIか否かを加味し治療順序を計画していく必要がある.

3.2 冠動脈病変への対応

● LEAD患者に対する冠動脈バイパス手術(coronary

artery bypass grafting: CABG)に際しては,自家静脈を将来下肢動脈に使用する可能性を考慮するべきである. ● CAD患者では,自家静脈を用いたCABGに先立ち,

LEADのスクリーニング検査を行うべきである.

ステートメント