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下肢閉塞性動脈硬化症の進行を抑えることはできますか? 生活習慣の改善,薬物療法によって下肢閉塞性動脈硬化症は発症,進行を抑制することができます.このため,薬物療法と生活習慣を含めた包括的な管理を実践してください. 生活習慣是正の中心は,禁煙,運動,体重管理ですが,特に禁煙,運動が重要です.禁煙によって,下肢症状や歩行距離は改善し,病気の進行を遅延させます.下肢壊疽,下肢切断のリスクも減じます.喫煙量,喫煙歴の長さがリスクに関係するため,下肢閉塞性動脈硬化症の診断を受けたら直ちに禁煙しましょう.また,受動喫煙によっても曝露量依存的にリスクが高まることが報告されていますので,家庭内,職場内での禁煙に対する協力も必要になります.しかし,禁煙成功率は禁煙意欲のある人でも決して高くありません.禁煙の際,禁煙補助薬も有効であることがわかっていますので主治医の先生と相談してみてください.禁煙外来を受診するのもよい方法です. 薬物療法では,糖尿病,脂質異常症,高血圧症,慢性腎臓病などの疾患の管理が必要です.これらの疾患は下肢閉塞性動脈硬化症発症のリスク因子であり,下肢閉塞性動脈発症硬化症の重症化防止のためには厳格な管理が求められます.これらリスク因子は重複によって下肢閉塞性動脈硬化症のリスクがさらに高くなるため,すべてのリスク因子を包括的に管理することが求められます.これらのリスク因子の中でしばしば勘違いされているのが悪玉コレステロールとよばれるLDLコレステロールの管理です.たとえ,LDLコレステロール値が低い場合であってもスタチンとよばれる脂質異常改善薬の服薬が必要になります.スタチンは下肢の予後を改善するのみならず歩行距離も改善させることが知られているからです.下肢閉塞性動脈硬化症を有する患者におけるリスク管理は冠動脈疾患を有している患者さんに比べ不十分であることも知られています.包括的な管理の意義をよく理解して,服薬を継続ください. 下肢閉塞性動脈硬化症の治療として血管内治療があると聞きますが,どんな治療でしょうか? 血管内治療とは,いわゆるカテーテル治療のことを指します.カテーテル治療は,従来の外科的治療と比べ,傷口が小さく(低侵襲),入院期間も短期間ですむことが多いことから,近年,広く行われるようになりました.カテーテルとは,丈夫で細長いストローのような管(くだ)で,鉛筆程度の太さです.脚の付け根や手から挿入し,治療すべき病変までもっていきます.そして,その中に治療道具であるバルーンやステントを通過させて病変部を拡張することで血流を改善し治療します(図28).カテーテル治療には,主にバルーン治療(風船治療),ステント治療があります.バルーンとは非常に細いカテーテルの先端にバルーンが付いており,それを狭窄(閉塞)部で膨らませ,その後,バルーンを萎(しぼ)ませて,抜くことで,病変部が拡張される治療のことです.主に脚の付け根(鼠 そ径 けい部)より下の大腿動脈(脚の付け根から膝くら いまでの動脈)や膝下動脈(膝から下の動脈)といった比較的細めの動脈で使用されることが多いです.大腿動脈病変では,1年で40〜50%程度の再狭窄(治療した部位がまた狭くなること)があることが大きな問題でした.最近では,再狭窄を抑えるために薬(パクリタキセル)が塗られたバルーン(薬剤溶出性バルーン)が登場し,治療効果が改善し,広く使用されています. ステント治療は金属の金網であるステントや人工血管であるステントグラフトを用いて病変を拡張する治療です.主に大動脈や腸骨動脈(足の付け根より上の動脈)や大腿動脈といった比較的太い動脈で使用されることが多いです.大腿動脈病変においては,近年,再狭窄を抑え Q7 Q8