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下肢閉塞性動脈硬化症は,どんな症状を認めますか? (間歇性跛行,安静時疼痛,潰瘍・壊疽)下肢閉塞性動脈硬化症は,下肢への血液供給が滞ることによって生じます.初期には自覚症状を認めませんが,進行すると(表72)に示される症状を呈します.4段階のFontaine(フォンテイン)分類が簡便で理解しやすいと思います.Rutherford(ラザフォード)分類はさらに詳しくした分類で,専門家が病状を詳しく分類するために使われます. 初発の自覚症状は,歩くと脚(特にふくらはぎ)が痛くなって歩けなくなるが,しばらく休憩するとまた歩けるようになる間歇性跛行(フォンテインII度)です.閉塞性病変により血液供給が制限され,歩行時の下肢筋肉で需要が急増する酸素が不足するために,ふくらはぎを主とする下肢の筋肉に痛みを生じます.病変が進行すると,一度に歩ける距離(跛行距離)が短くなります. 間歇性跛行からさらに病変が進行すると,酸素をそれほど必要としない安静時においても血液供給が不足し,安静時にも痛みを生じる(フォンテインIII度)状態に至ります.安静時痛を認める場合,臥床時に痛みが増強し,下肢下垂の状況で痛みが改善するため,椅子に座って睡眠をとっていることが多くなります. さらに進行すると,皮膚の組織を維持したり,傷を治すだけの血液供給が不足する状況に至り,足趾や足部を中心に皮膚が壊死に陥り,外傷時には傷が治らずに難治性の潰瘍を形成します(フォンテインIV度).安静時痛も継続しており,痛みと壊死・潰瘍の両者の対応が必要になります. 下肢閉塞性動脈硬化症は,簡単に診断できますか? 体のさまざまな情報をもたらす血圧は人間ドックや健康診断で測定されており,腕で測定するのが定番ですが,足の血圧と腕の血圧を同時に測り,腕の血圧に比べて足の血圧がどの程度かを調べる検査がABI検査です.ABIはankle brachial pressure indexの略語で,足首と腕の血圧の比率(足首収縮期血圧÷上腕収縮期血圧)のことです.正常は0.90以上で手の血圧よりも足の血圧が高いことが普通ですが,足の血管に石灰化というカルシウムの沈着が起こる透析患者さんは,血管が硬くなり正確に評価することができないことがあります. 脚の動脈に病的動脈硬化が生じていても40%の方は無症状で経過し,進行すると歩くと足が痛くて歩けない症状や,足が冷たい,しびれる症状で初めて病気に気づきます.足の病気に気 Q4 表72 臨床症状による下肢閉塞性動脈硬化症の重症度分類 Fontaine 分類Rutherford 分類I度無症状0群無症状 II度間歇性跛行1群軽度の間歇性跛行 2群中等度の間歇性跛行3群重度の間歇性跛行 III度虚血性安静時疼痛4群虚血性安静時疼痛 IV度潰瘍または壊疽5群小さな組織欠損 6群大きな組織欠損 Q5