GL検索 v0.1.0
画像は 115 ページを描画したものです
page 115

p.115 抽出テキスト

とされる.MRIでは嚢腫内容の性状把握が可能という利点があり1094),膝窩動脈捕捉症候群との鑑別も可能である1095).最近では超音波検査機器と技術の進歩により,膝窩動脈内腔の狭窄と周囲に血流信号を認めない嚢胞性腫瘤を描出することで,超音波検査(US)で最初に外膜嚢腫を診断することも可能となっている1096).USは簡便で繰り返し施行可能であり,症状が自然軽快した際に,USで嚢腫消失の有無を迅速に確認することもできる.

3 治療方針の選択

狭窄性病変の場合には穿刺吸引,嚢腫切除,開放術などが,閉塞性病変の場合には自家静脈による血行再建が考慮されるが,嚢腫壁の完全切除あるいは動脈切除+自家静脈置換などの外科的治療が原則である1085, 1086, 1097–1100).CTガイド下穿刺1101),血管内治療(endovascular therapy: EVT) 1102)などの低侵襲的治療も報告されるようになってきているが,原則として狭窄例には嚢胞壁の完全切除を1100),閉塞例には動脈切除+自家静脈置換術を推奨する報告が多い1086, 1097–1099, 1103).過去の報告例からは,全体として予後およびグラフト開存率は良好である1085, 1086, 1099).

4 治療

4.1 超音波/CTガイド下での穿刺吸引術

超音波ガイド下やCTガイド下での穿刺吸引術の報告が散見されるが,中期成績は不良である1088, 1101).嚢腫は多房

性であることも多く内容物も粘稠度が高いことから,穿刺吸引のみでは根治性が低く再発率も高い1087, 1089, 1090).

4.2 EVT

外膜嚢腫内腔への粘液貯留によって早期に再狭窄が生じ,満足できる結果は得られていない1087, 1102).また,完全閉塞症例で血栓が新鮮な場合には,血栓溶解療法の後にEVTを施行した報告が散見されるが,早期に再狭窄もしくは閉塞をきたしている1104).

4.3 嚢腫切開/切除術

動脈が血栓閉塞していない場合に適応となる.以前は術前診断が確定しないことが多く,下記の動脈切除+自家静脈置換術が施行される傾向にあったが,本症と確定診断され内腔が血栓閉塞していなければ,嚢腫壁を切開し開放する術式も用いられるようになった1089).CTやMRIによって嚢腫の範囲,単房性か多房性かを正確に評価した上で,嚢腫の遺残がないよう嚢腫壁を全周性に完全切除し,必要な場合は血管壁のパッチ形成を行うことで良好な成績が報告されている1090, 1098, 1100, 1105, 1106).本術式を選択した場合は,術中血管撮影検査あるいは術中超音波にて病変部の残存狭窄がないことを確認して手術を終了することが望ましい.

4.4 動脈切除+自家静脈置換術

主に閉塞例で適応となる.閉塞した動脈を嚢腫とともに切除し,自家静脈で置換する.遠隔成績は良好である1085, 1086, 1097, 1099, 1103, 1106).