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た報告がある901).46.4%の患者が再発時の半量未満になっており,画像評価およびSF-36の結果も改善していて,難治性症例のステロイド代替療法として第一選択となりつつあることが示された901).

TNF阻害薬には抗TNF-α抗体のインフリキシマブなどがあり,ステロイドに併用して多く使用されてきた958).しかし長期の有効性が維持できるかどうかは検討課題である.

4.2 治療および手術適応

4.2.1 外科的治療

内科的治療が原則であるが,狭窄や拡張性病変などの動脈病変が完成した患者には,臓器血流障害の改善や動脈瘤の破裂予防を目的とした外科的治療が必要になる.外科的治療は炎症の非活動期に行うことが望ましいが,症状が重いために手術を急ぐ場合には,ステロイド治療で炎症を鎮静化させつつ施行せざるをえないこともある.高安動脈炎患者の生命予後は比較的良好であり,術後30年以上生存することもまれではないため,超長期の予後も考慮して手術術式を決定する必要がある959).とくに人工血管移植後長期になると吻合部動脈瘤の発生頻度が高くなるため,定期的な検査を行うことが望ましい904).外科的治療の対象となる患者は全体の約20%である.閉塞性病変に対しては一般に内膜摘除術の成績は不良とされ,バイパス術が標準術式となる.分枝血管閉塞に対しては人工血管ではなく,動脈グラフトあるいは静脈グラフトを用いることで遠隔期の吻合部動脈瘤の発生が減ったとの報告もある960).

4.2.2 血管内治療(endovascular therapy: EVT)

分枝病変は完全閉塞,長い病変,壁が硬い病変が多いこともあり,EVTの成績は外科的バイパス術に比較して不良とする報告が多く,とくに若年者に対して治療手段の第一選択とするには注意を要する961–963).ただ昨今のデバイスの発展に伴い,EVTの選択肢は十分に考慮されうる.高安動脈炎25例に対してステントおよびステントグラフト(stent graf: SG)で治療した報告では,ステント治療ではステント内再狭窄が高率に起こるとしている.高安動脈炎はpanarteritisであり,SGにより血管壁内層が血流から

隔離されることで慢性炎症の消退に繋がるのではないかと考察している964).ただ,病変部位によって成績は変わってくる.外科手術とEVTを比較したメタアナリシスでは,再狭窄リスクにおいて外科手術に分があったが,大動脈近位分枝の病変がある場合は外科手術でよりstrokeのリスクが高いことが示された963).

またDES(drug-eluting stent)もしくはDCB(drugcoated balloon)に関しては理論的には局所の炎症を抑制するという意味において有効であることが予想されるが,症例報告レベルでしか報告がない.今後のまとまった症例数の報告を待ちたい.

いずれのEVTにおいても,高安動脈炎を寛解に導くことが治療の成績を上げるために重要であることは,外科手術同様である.血管治療介入を行った症例79例の後方視的解析で,炎症が高い場合には術後5年間での血管関連合併症率が7倍に増えるというデータからもわかる902).

4.3 予後

1955~1995年に施行された106例の手術症例の報告では,10年および20年での累積生存率はそれぞれ83.6%および73.5%であった.ただ吻合部瘤の再発率は10年および20年でそれぞれ8.4%および13.8%と,長期でのフォローアップが欠かせないことが示唆された959).

フランスの多施設研究は2014年までに診療した高安動脈炎318症例を後方視的に解析したものであるが,累積生存率は5年で98.1%,10年で96.1%と良好であった.人種(caucasian),喫煙が有意な死亡関連リスクであり,年齢・性別でマッチングすると,健常人の2.7倍の死亡率であることが報告された903).また無再発生存率は5年および10年でそれぞれ58.6%および47.7%であり,10年のうちに半分の患者が再発することがわかった905).

わが国の120例の報告では,進行性の病態,35歳以降での診断,診断と発症に2年以上空いていること,合併症(網膜症,高血圧,大動脈弁不全,大動脈瘤)などが生存率に影響する予後不良因子として挙げ,スコア化して15年生存率での差を示した906).これらの因子に対し,近年はより早く正確な診断ができるようになり,治療選択肢も増加しており,将来的にはよりよい予後が期待される.