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p.72 抽出テキスト

先天性心疾患,心臓大血管の構造的疾患(structural heart disease)に対するカテーテル治療のガイドライン

機能,さらには,術中合併症をリアルタイムで評価するうえで重要である。そのため,術野とは独立したエコー専門医が必要である.

近年,局所麻酔下TAVIも普及しつつあり,全身麻酔下TAVIと比較し,非劣性もしくは優位584, 585)であったとの報告も散見される.ただし,局所麻酔下で施行しても患者病態の変化に対応できるよう,麻酔科管理は有用であると考えられる.

施設は,開心術が可能な手術室で,設置型透視装置を備えるハイブリッド室が必要であり,下記の経カテーテル的心臓弁治療関連学会協議会にて作成された「経カテーテル的大動脈弁置換術実施施設基準」585a)(表63)を満たした施設で行われる. b. アクセス

TAVIにおいては,バルーン拡張型・自己拡張型などの展開様式を有するtranscatheter heart valve(THV)が大動脈弁位に留置されるが,挿入経路として経大腿動脈(trans-femoral: TF)アプローチの占める割合は臨床導入当初の約半数から近年では90%を超えるまで増加している586-590).

TF アプローチでは,大腿・腸骨動脈を経由し大動脈を逆行性に進行する.そのため,これらの経路に高度の狭窄・蛇行を有する症例では,デバイスの挙上が不可能となるリスクがある.また,経路に解離・瘤形成・高度粥状変化を認める症例では,破裂・塞栓リスクが高くなるため,代替アプローチ(alternative approach)が必要となる.代替アプローチは

表63 TAVI 実施施設基準(経カテーテル的心臓弁治療関連学会協議会基準)

手術成績・ 緊急開心・胸部大動脈手術の経験があること.・ 大動脈弁置換術(大動脈基部置換術を含む)が年間20例以上あること.・ 冠動脈に関する血管内治療(PCI)が年間100例以上あること.・ 大動脈に対するステントグラフト治療(TEVARまたはEVAR)が年間10例以上あること.・ 経食道心エコー検査が年間200例以上行われていること.設置機器・ 開心術が可能な手術室で設置型透視装置を備えていること(ハイブリッド手術室).また必要な設備および装置を清潔下で使用できる十分

なスペースがあること.ハイブリッド手術室として以下の基準が必要である.・ 空気清浄度class II以上.・ 設置型透視装置を備える.・ 速やかに開胸手術に移行可能である.・ 術中経食道心エコー検査が実施可能であること.・ 経皮的心肺補助装置,緊急開心・胸部大動脈手術が実施可能であること.・ 施設として,麻酔科医/体外循環技術認定士の緊急動員に配慮すること.・ 各施設においてTAVI開始にあたっては,現地調査(インスペクション)による施設認定を必須とする.人員・ 心臓血管外科専門医が3名以上在籍すること.・ 循環器専門医が3名以上在籍すること.・ 日本心血管インターベンション治療学会専門医が1名以上在籍すること.・ 麻酔科医(常勤)が1名以上在籍すること.・ 実際の手技にあたっては,循環器専門医と心臓血管外科専門医がそれぞれ1名以上参加すること.・ 上記基準のメンバーを含めた弁膜症チームが,手術適応から手技および術前術中術後管理にわたりバランスよく機能していること.施設・ 心臓血管外科専門医基幹施設であること.・ 日本心血管インターベンション治療学会研修施設または研修関連施設であること.・ 日本循環器学会認定専門医研修施設であること.・ JCVSDにデータを全例登録していること.レジストリ・ NCD登録事業(TAVI Registry)に参加し,フォローアップを含め全例登録すること.継続条件および見直し・ この条件はTAVIの安全性を鑑みて3年後に見直す. PCI: 経皮的冠動脈インターベンション,TEVAR:胸部大動脈ステントグラフト内挿術,EVAR: 腹部大動脈ステントグラフト内挿術, NCD: National Clinical Database (経カテーテル的心臓弁治療関連学会協議会.585a)より)