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p.70 抽出テキスト

先天性心疾患,心臓大血管の構造的疾患(structural heart disease)に対するカテーテル治療のガイドライン

platelet therapy: DAPT)に変更する.DAPTによる6ヵ月間のフォローアップに問題がなければ,最終的にアスピリン単剤を生涯続けることとなっている.これは2005年に開始されたPRORECT AF試験のプロトコールであり,DOACが使用可能となった現在とは状況が異なっている点に注意が必要である.わが国への導入に際しては,PRORECT AF試験と同一のプロトコールを採用している.

現状では,DOACを用いたWATCHMAN使用プロトコールは確立されていない.また,海外で用いられているWATCHMAN以外のデバイスや新世代のWATCHMANでは,植え込み後に抗凝固療法を速やかに中止してDAPTを行うプロトコールであるが,わが国では未導入である.海外では数多くのデバイスが使用されているが,確固たるエビデンスがあるのは現時点でWATCHMANのみである.また,従来のRCTは,いずれもワルファリンとの比較であり,出血合併症が少ないとされるDOACと比較した場合の脳卒中発症予防効果は不明であることに留意しなければならない.ワルファリンで出血イベントがあっても,DOACに変更することによって出血イベントの抑制が期待できる症例では,薬物療法による脳卒中予防効果が期待できる.

わが国では関連学会ワーキンググループでの協議のもと,適正使用指針578a)が発表された(表61).つまりCHADS2スコアまたはCHA2DS2-VAScスコアによる脳卒中および全身性塞栓症のリスクが高く,本来ならば長期的な抗凝固療法が推奨されるNVAF患者にのみ考慮されるべきである.そして,これらの患者のうち出血の危険性が高いと判断される以下の1つまたは複数の要因をもち,出血の危険性等のために長期的な抗凝固療法が困難な場合に検討される治療である.なお,前述のPRORECT AF,PREVAIL 試験では,CHA2DS2-

VAScスコアが2以上の患者が対象であった.なお,機械的人工臓弁の植込み患者,凝固能亢進状態の患者,または再発性DVT患者など,非弁膜症性心房細動以外の理由で経口抗凝固薬の長期使用が必要な患者は本治療の適応ではない.除外基準は表61のとおりである.

表61 経皮的左心耳閉鎖における抗血栓療法の適応基準と

除外基準a. 適応基準1CHADS2スコアまたはCHA2DS2-VAScスコアに基づく脳卒中および全身性塞栓症のリスクが高く,長期的に抗凝固療法が推奨される非弁膜症性心房細動患者. 2以下のうちの1つ以上を含む,出血の危険性が高い患者.

・ HAS-BLEDスコアが3以上の患者.・ 転倒にともなう外傷に対して治療を必要とした既往が複数回ある患者.・ びまん性脳アミロイド血管症の既往のある患者.・ 抗血小板薬の2剤以上の併用が長期(1年以上)にわたって必要な患者.・ 出血学術研究協議会(BARC)のタイプ3に該当する大出血の

既往を有する患者. b. 除外基準1心腔内(とくに心房内)血栓が認められる患者. 2ASDまたは卵円孔開存に対する修復治療(外科手術,デバイス留置等),あるいは心房中隔の縫合閉鎖の既往がある患者. 3左心耳の解剖学的構造が閉鎖デバイスに適応しない患者. 4左心耳閉鎖術が禁忌である患者(経食道心エコープローブや施術に必要なカテーテルの挿入が困難等). 5抗凝固療法,アスピリンまたはチエノピリジン系薬剤の使用が

禁忌である患者. (日本循環器学会.578a)より)

0.1 1 10 0.01

有効性全脳卒中または全身性塞栓症虚血性脳卒中または全身性塞栓症出血性脳卒中虚血性脳卒中または全身性塞栓症(>7日) Disabling/Fatal stroke(MRS change of≧2) Non-Disabling stroke CV/unexplained death全死亡大出血大出血,non procedure-related

Favors watchman

ハザード比(95%信頼区間)

Favors Warfarin 0.82 0.96 1.71 0.2 1.4 0.45 1.37 0.59

0.73 0.91 0.48 0.3 0.9 0.08 0.0022 0.3 0.03 0.35 0.03

0.04 0.6 0.0003

ハザード比       P値

図12  非弁膜症性心房細動における経皮的左心耳閉鎖術と脳卒中予防(Reddy VY, et al. 2017577)より) Reprinted from J Am Coll Cardiol., 70(24), Reddy VY, et al., 2964-2975., Copyright (2017) The Authors, with permission from Elsevier.https://www.sciencedirect.com/journal/journal-of-the-american-college-of-cardiology