p.66 抽出テキスト
先天性心疾患,心臓大血管の構造的疾患(structural heart disease)に対するカテーテル治療のガイドライン る症例が高リスクPFOというスコアシステムの報告もある562). 現在,国内で使用可能な機器は,AMPLATZER PFO Occluderのみである.これはASDの閉鎖栓と同様に,形状記憶合金のワイヤを編み込んだ自己展開式であり,左心房側と右心房側の2枚のディスクで構成される.左心房側ディスクは18~30 mm,右心房側ディスクは18~35 mmであり, PFO部に合わせてサイズを選択する.PFO Occluderは,8 ~9 Frのデリバリーカテーテルを用いて大腿静脈より経皮的に挿入し,PFOを通過させて左心房側と右心房側でそれぞれのディスクを展開することにより閉鎖する. 以下に該当する患者に対する経皮的PFO閉鎖術は禁忌である. 1心臓内に腫瘤・疣贅または腫瘍が認められる患者. 2留置部位およびアクセス経路に血栓を認める患者. 3心臓内または血管内の構造が,デバイス留置の操作に 適さない形状やサイズの患者. 4術前に活動性心内膜炎を発症した患者,感染症が完 治していない患者. 5抗血栓療法が実施できない患者. 6既知の凝固促進状態がある患者. 7ニッケルアレルギーがある患者. RESPECT研究では,本治療を行った499例中,手技関連の重篤な有害事象が12例(2.4%),デバイス関連の重篤な有害事象が13例(2.6%)にみられた553, 560). 手技関連の有害事象は次のとおりであった.薬剤アレル 3.1.6 経皮的PFO閉鎖機器 3.1.7 禁忌 3.1.8 有害事象 経頭蓋超音波ドプラ法(バルサルバ負荷,マイクロバブルテスト)経胸壁心エコー図(バルサルバ負荷,マイクロバブルテスト)または 陰性または判断できない 経食道心エコー図(バルサルバ負荷,マイクロバブルテスト) 陽性陽性 を行わずに,十分な咽頭麻酔のみで実施する場合がある. PFOの診断アルゴリズムを図9 556)に示す. 経胸壁心エコー図は右左シャントの検出力が低いといわれている.しかし,コントラスト剤注入法や十分なバルサルバ負荷を行うことで,検出力が向上する.バルサルバ負荷時に,右上腹部を用手的に圧迫することにより,確実なバルサルバ負荷をかけることができる.コントラスト剤は,一気に右心系全体が均一に染まる十分な量を注入することが重要である.バルサルバ負荷時,あるいはバルサルバ負荷を解除した直後に左心系で確認されるマイクロバブル数でシャント量を判定する(図10) 556).バルサルバ負荷解除後3心拍以内に左心系にマイクロバブルが確認される場合, PFOの可能性が高い. 経食道心エコー図では,卵円孔の形態(PFO高,トンネル長,中隔振幅幅)を評価することが重要である(図11) 561). トンネル長が10 mm以上の場合,ロングトンネルと評価する.また,中隔振幅幅(septal excursion distance: SED)が,左房側または右房側に10 mm以上もしくは両心房側に合計15 mm以上ある場合,心房中隔瘤と診断する49).これまでの研究で,1短絡量の大きな例,2心房中隔瘤合併は脳梗塞を発症しやすい高リスクPFOと考えられている.さらに卵円孔形態的評価を組み合わせ,1long-tunnel PFO(≧10 mm),2振幅の大きな心房中隔(hypermobile PFO),3右房内のeustachian valveやChiari’s networkの存在,4短絡量の大きなPFO,5下大静脈(IVC)とPFOトンネルのなす角度が浅く(≦10°C),IVCの血流が直接PFOトンネルに流入する例,の5項目中2項目以上を有す 3.1.4 経胸壁心エコー図によるマイクロバブルテストの 施行と判定方法 3.1.5 PFOの形態 図9 PFO の診断アルゴリズム(日本心血管インターベンション治療学会, ほか. 2019556)より)