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p.63 抽出テキスト

ル的塞栓術が第一選択であり,外科的切除術の適応は血胸発症例,肺動脈枝と肺静脈または左房直接交通の例,一葉内に限局した多発例に限られる539, 543, 544).

マルチスライス造影CTは病変部の描出にもっとも有用な検査で,流入動脈と流出静脈の同定,流入動脈径と動静脈瘻径の正確な計測に役立つ.3D再構成により病変部位を立体的に把握し,塞栓術に有用な血管造影の角度を決定する.これらの情報はとくに病変が複数存在する場合に有用かつ必須である542).造影MRIは血管造影に比して, 2 mm程度の小病変の描出にも優れており,CTと同様に病変部の把握に有用である545).

手技中の塞栓症(空気塞栓を含む)を予防するために十分なヘパリン化を行い,システムは閉鎖式もしくはダブルフラッシュ法を用いる542).病変部上流で肺動脈造影を行うが,このとき吸気で息止めをすることにより,肺底部近くの病変の重なりがなくなり,より明確に認識できる.また経路がよりストレートに近くなるため,とくに屈曲の強い流入血管ではカテーテルを病変部へ到達させやすくなる542).肺動脈は分枝が多く,瘻がどの枝から派生しているかを立体的に把握しなければ到達が難しいため2方向以上の造影画像を用いて枝を同定する.続いてexchange wireを病変部近傍まで到達させ,これをガイドに,ガイディングシース内にangledカテーテルを挿入したものを進めていく542).正常な還流を障害しないために,またほかの血管流入による再発を防ぐために,流入血管の瘻に可能な限り近い部分を閉塞することが望ましい542, 546). a. 塞栓材料

肺動静脈瘻の塞栓術にはコイルまたはVascular Plugが用いられる. i. コイル

瘤内もしくは末梢へのコイルの逸脱を防ぐために,firstコイルは位置修正が可能なデタッチャブルタイプを用い,これをアンカーとして流入動脈に留置する.流入動脈径に対し120~130%径のものを選択する.完全閉塞を得るためにfiberedコイルやpackingコイルを追加留置する.流入動脈径が太く,血流量が多く,コイルの安定性が不良な場合は,デリバリーカテーテルとは別にバルーンカテーテルを留置部位上流の肺動脈枝に留置する.さらに,これを膨らませて一時的に血流を遮断または減少させ,そのあいだにコイルを留置する547).

流入血管が複数の場合もあるため,塞栓後はより中枢側

2.7.4 術前評価

2.7.5 塞栓術の実際から造影してほかの流入血管が残存していないかどうかを

確認する542).再発はコイルの不十分な充填(packing不良,使用コイル数の不足)によるものが多いが,この場合すでに留置しているコイル内にガイドワイヤを通過させるのは困難であるためカテーテルの到達が難しく,加えて残存しているlanding zoneが短いため追加の塞栓術は煩雑で難しくなる546).したがって初回の治療時にコイルを十分に充填することが重要となる. ii. Vascular Plug

Vascular Plugは太い流入動脈でも逸脱が少なく,かつ塞栓性が高いため,太い肺動静脈瘻にとくに有用である546).塞栓術後は再発の有無を確認するために定期的な造影CTが必要であるが,コイルに比較しアーチファクトが少ないというメリットがある548).また,コイルが多数の留置を必要とするのに対し,Vascular Plugは1個でも閉塞可能なため,手技時間が短く,1セッションで多数の病変を治療することも可能である547, 549).近年,よりlow profileのものが市販され,細い屈曲した血管へのアプローチが容易になったことから,Vascular Plugの有用性が高い548).もっとも広く使用されているのは,Amplatzer Vascular Plug(AVP)で,AVP,AVP II,AVP 4 の3種類が肺動静脈瘻の閉鎖に用いられる.逸脱を防ぐためには流入動脈径の130~150%径のデバイスを選択する必要がある547, 548, 549).AVP 4はlow profileであり,屈曲や細径のため,太いガイディングシースの挿入が困難な血管に有用である.しかし,サイズ展開がφ4~8 mmのため,6 mm以上の流入血管には不適である549).AVPは4~16 mm, AVP IIは3~22 mmのサイズ展開があるため,より太い流入血管の閉鎖に適する.

AVP IIは血流に対し6枚のニチノールメッシュ面を有するため,AVPより塞栓効果が高い.しかし,AVPに比して長いlanding zoneを必要とするため,landing zoneが短い場合はAVPを選択する543).再疎通のリスクを低減するには留置したVascular Plugの近位側にコイルを追加することが有用だとする意見もある550).

再疎通率,症状の改善とも,Vascular Plugのほうが良好であり,第一選択はVascular Plugである.血管の蛇行,屈曲,径などの要因でVascular Plugの挿入が不可能な場合に,コイルを選択する543).

新たな瘻の発生や既知の瘻の拡大もみられることから,治療例,無治療例に関わらず生涯に渡るフォローアップが不可欠である537, 552).HHTの患者では,肺動静脈瘻に限らず他臓器にも症状を呈するため,多科にわたって全身的な

2.7.6 フォローアップ