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されることもしばしばである.術後に原因不明の高肺血流によるうっ血性心不全を呈する場合には,体肺側副動脈も念頭に検査を進めていく必要がある. 心エコー検査で体肺側副動脈が検出される場合もある.カテーテル検査,血管造影検査が診断にもっとも有用だが,確定診断のみでなく閉鎖術を考慮した場合に施行される.また,MRIによって短絡量を定量化し,手術後の影響との関連を示唆する報告もあり471),MRIやCTも治療方針決定の助けになり得る. 体肺側副動脈のカテーテル治療では,さまざまなデバイスが使用されてきたが,現在はコイルとAVPがおもに使用されている425, 430-432, 444, 454, 466, 472-488).体肺側副動脈は複数の動脈系からの血流供給で成立している場合が多い.そのため,大動脈側の近位部のみを閉塞した場合,時間経過とともに末梢が交通している別の側副血管からの血流供給によって側副血管が発達し,対象血管へのアプローチを困難にする場合があることは念頭に置いておかなければならない.最大の効果が得られるように最適なデバイス選択をしたうえで,最適な位置に閉鎖デバイスを留置するように心がけるべきである. 体肺側副動脈のカテーテル閉鎖術による合併症のなかでも注意すべきものは,重要な動脈系へのデバイスの脱落およびそれによる梗塞である.総頚動脈や鎖骨下動脈のような大動脈分枝血管から起始している体肺側副動脈の塞栓術の際,脳動脈にコイルが移動すれば,脳梗塞をきたす可能性がある.また,臓器への栄養血管などにコイルが迷入すれば該当臓器の梗塞が発生する可能性がある.このように,適切なデバイス選択と留置が必要である.また,対象血管が細いためカテーテル操作による血管損傷を起因とする造影剤血管外漏出も起こり得る. 2.4 静脈‒静脈短絡(表50) 静脈–静脈短絡はGlenn手術後やFontan手術後症例に認められ,高圧の静脈系から低圧の静脈系への短絡を意味する.とくに高圧の体静脈系から低圧の肺静脈(左心房)系への大きな右左短絡は明らかなチアノーゼを引き起こす.静脈–静脈短絡が発達する予測因子は,高い肺動静脈圧較差と高い体静脈圧とされている435-437, 489-491).Fontan術 2.3.1 診断 2.3.2 治療 2.3.3 合併症前には閉塞していて認めなかった無名静脈から左房への静 脈が,Fontan術後には開通して,右左短絡を引き起こすことがある.そのほか,頚部静脈から肺静脈系への短絡,肝静脈系から左房への短絡などが発生しうる. Fontan術後の体静脈から肺静脈または左房への短絡には,可能であれば経カテーテル塞栓術を行う.上半身の体静脈から横隔膜より下位への短絡はGlenn手術前であれば経カテーテル塞栓術を行う.Fontan手術が予定されている場合,横隔膜より下位の体静脈への短絡は塞栓術を行う必要はない.Fontan術後には心臓より下位への体静脈への短絡は静脈系に還流するようになるため,問題とならないからである. 大きい短絡を塞栓する場合には,バルーン閉塞テストを実施してチアノーゼの改善を確認するとともに,体静脈圧上昇や心拍出量低下などが許容範囲にあるかどうか確認したほうがよい.・リスクと合併症 合併症としてはほかの塞栓術の手技と同様に,遺残短絡やコイル脱落があげられる.ほかに注意すべき点として,遠隔期に短絡再開通が起こる場合がある. 表50 静脈‒ 静脈短絡に対する経カテーテル塞栓術に関す る推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 静脈– 静脈短絡は,高度チアノーゼや塞栓症のリスクがある患者の場合,経カテーテル塞栓術を行う. I C Glenn 手術後に横隔膜より下位への静脈– 静脈短絡が発達し,高度チアノーゼを引き起こしている患者の場合,ただちにFontan 手術を行うのでなければ経カテーテル塞栓術を行うI C Fontan 手術前のカテーテル検査で体静脈– 肺静脈短絡がみつかった患者の場合,重篤なチアノーゼを引き起こしていなくても,経カテーテル塞栓術を考慮する. IIa C横隔膜より下位への体静脈– 肺静脈短絡を有するGlenn 手術前の患者の場合,経カテーテル塞栓術を考慮してもよい. IIb B Fontan手術が予定されている患者の場合,横隔膜より下位での短絡は症状が軽度であれば塞栓術は推奨されない. III No benefit C