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p.58 抽出テキスト

先天性心疾患,心臓大血管の構造的疾患(structural heart disease)に対するカテーテル治療のガイドライン

・シース/ガイディングカテーテルを手前に引き,AVP

を展開する.・AVPはシース/ガイディングカテーテルへの再挿入が

可能であり,適宜位置修正を行う.・位置決めが終了したら,プッシャー・ワイヤを手前(反

時計方向)に回転させ,AVPを最終的に離脱させる.実際には,プラグはdog-bone様に見える.・離脱後,必ず経時的に造影を行い,血流停止を確認

後,手技を終了する.・塞栓効果が不十分なときは,金属コイルなどによる追

加塞栓術を行う443).・留置後の変形も報告されており,慎重な経過観察が必

要である445).

AVPの使用資格基準は以下のとおり. 1術者としてコイル塞栓術を20例以上経験していること. 2AVPの製品および適正使用に関する講習を受講してい

ること.

2.3 体肺側副動脈(表49)

体肺側副動脈はさまざまな先天性心疾患に合併し,その形態,走行部位,左右短絡の程度など個々の症例で異なっていて,循環動態への影響がわずかで治療を考慮しなくてよいものもあれば,重篤な症状を引き起こすものもある.体肺側副動脈に対するカテーテル閉鎖術139)が考慮されるべき例は以下の3つに大別される.

1つめは単心室患者のGlenn術後やFontan術後に体肺側副動脈がみられる例である.単心室の血行動態において左右短絡は容量負荷や静脈圧の増加につながり,Glenn循環,Fontan循環では外科的にデザインされた肺循環と競合的に働き,結果として肺動脈圧を上昇させてしまう可能性がある430-434, 453-461).術後早期には体肺側副動脈の影響により人工呼吸器装着期間やICU滞在日数が延長してしまう例もまれではない.体肺側副動脈が単心室患者の胸水の増加や蛋白漏出性胃腸症の発症に関係しているとする報告もあるが,真の関連性はいまだ不明であり今後の検討が重要となっている.また,状態の悪い単心室患者の体肺側副動脈を閉鎖することで症状の改善を認めるという報告は多数存在するが,Glenn手術前,Fontan手術前の安定した患者に対するルーチン的な体肺側副動脈閉鎖の有効性については議論の余地がある462-465).ただし手術時に認められる効用としては,体外心肺循環時に肺静脈からの還流血が減少することによる視認性の向上,効果的な組織循環の確保

2.2.4 AVP使用資格基準

などがあげられるため,外科医と適応を協議することも重要である.

2つめはFallot四徴や肺動脈閉鎖兼VSDに伴う主要体肺側副動脈の例である428-431, 444, 454, 466).高度チアノーゼや肺血流の減少を伴う例,とくに本来の肺動脈が低形成の例では,体肺側副動脈による左右短絡は肺血流を増加させチアノーゼ軽減に寄与する.また,このタイプの体肺側副動脈の解剖はとりわけ多種多様にわたっている.肺血流の相当な部分を担い統合化(uniforcalization)を必要とするものから,肺血流のごくわずかな部分しか担わないものまであり,本来の肺動脈やほかの体肺側副動脈と交通を有するものもあれば,まったく交通を有しないものもある.これらの体肺側副動脈の閉鎖を決定するには,左右短絡の程度,肺高血圧の有無,チアノーゼの程度,肺血流量,該当肺血管床に対する体肺側副動脈と本来の肺動脈の血流供給状態などを総合的に考慮しなければならない.本来の静脈血による肺血流の供給,可能な限り均等な肺血流の分布および低い肺動脈圧を実現するには,外科医との協力や事前の綿密な計画が重要である.

3つめは大血管転位症などの先天性心疾患で体肺側副動脈による過大な左右短絡を認める例である428, 430, 467-470).これは術前の主たる心疾患に隠されてしまい,手術後に発見

表49 体肺側副動脈に対するカテーテル閉鎖術に関する推

奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

うっ血性心不全,高肺血流状態,呼吸障害,もしくは著しい胸水貯留や蛋白漏出性胃腸症をきたす相当量の左右短絡を伴う体肺側副動脈に対し,カテーテル閉鎖術を行う. I B単心室患者でのGlenn 手術前やFontan手術前のカテーテル検査で指摘された,無症状ではあるが相当量の短絡量を有する体肺側副動脈に対してカテーテル閉鎖術を考慮してもよい. IIb B体肺側副動脈を伴う肺動脈閉鎖症例で,元来の肺動脈からの十分な血流供給がある体肺側副動脈に対し,カテーテル閉鎖術を考慮してもよい. IIb B肺血流低下による重篤なチアノーゼをきたしている症例での体肺側副動脈に対し,カテーテル閉鎖術は行うべきではない.. III Harm C体肺側副動脈を伴う肺動脈閉鎖症例で,元来の肺動脈との統合化が可能と考えられる体肺側副動脈に対し,カテーテル閉鎖術は行うべきではない. III Harm C