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テルを併用し,確認造影による正確な位置決めを要するなど,高度な技術が要求される. 合併症には,短絡血管の再閉塞,血栓の移動や新たな形成による肺梗塞,脳梗塞などの塞栓症,ステントの脱落,ガイドワイヤによる血管損傷や肺うっ血に起因する気道出血,カテーテルが心腔内を通過する際の弁逆流の悪化や不整脈の出現などがあげられる.また,循環動態が不安定なことが多く,とくに左心低形成症候群や右室型単心室の心室内を経由してのステント留置術は,血行動態の悪化から重篤な状態に陥りやすいので注意を要する389).先天性心疾患カテーテル治療の豊富な経験と,心臓外科チームとの協議による適応決定,また術中術後の補助循環装着や開心術への移行を含めたバックアップ体制が必要である. 1.16 小児の動脈管拡大(表42) 先天性心疾患には循環と生命維持のために動脈管に依存するものがあり,大きく以下の3つの病態に分類される. 1 肺血流が動脈管に依存する心疾患.肺動脈閉鎖症,重 症肺動脈弁狭窄症など. 2 体血流が動脈管に依存する心疾患.左心低形成症候群, 重症大動脈弁狭窄,大動脈縮窄・離断など. 3 肺静脈還流血の体循環への混合に動脈管が必要となる 心疾患.完全大血管転位など. 3については,心房間レベルの混合に依存するところが 大きく,カテーテル治療の対象も心房間交通の拡大が主体で,動脈管の拡大の適応となることはない.また,2については,本章の「1.17.1 左心低形成症候群・単心室循環」で,動脈管に対するステント留置につき詳しく述べられている.本項では,1肺血流が動脈管に依存する場合の経カテーテル的拡大術について述べる. 1.16.1 治療の実際 PDA維持のための初期治療としては,プロスタグランジン持続静注が基本であり,わが国でもプロスタグランジンE1・α-CD製剤,リポプロスタグランジンE1製剤が薬価収載されている.そのいずれかを用いて出生後まもない時期に入院治療を継続し,ある程度の全身状態安定や成長がみられた時点で体肺短絡路造設等の姑息術や,心内修復術,重度狭窄あるいは閉鎖した肺動脈弁に対するバルーン拡大術を行い,動脈管依存状態から離脱していくことが確立された治療方針とされている. バルーンあるいはステントによる動脈管拡大術は保険適用とされていないが,上記のような薬剤による動脈管の維持や,体肺短絡術の代替として行われる.長期のプロスタグランジン持続静注による医療費や静脈点滴路感染の問題が大きい場合,早産,低出生体重,重度の循環不全,出血傾向などで全身状態が心臓外科手術に耐えられないと判断される場合がその対象となり得る. 動脈管は自然に閉鎖傾向となることが多いためにバルーン拡大術の効果は一時的であると考えられている.ステント留置により拡大を維持する報告がなされている.肺血流減少型先天性心疾患の動脈管に対するステント留置術は1992年にはじめて報告された.右室高度低形成および類洞交通を合併する肺動脈閉鎖,肺動脈閉鎖・共通房室弁を伴う心房内臓錯位症候群の各1例を対象として,冠動脈用のPalmaz–Schatzステントを留置するものであったが,留置手技は困難であり短期間の生命維持にとどまった390).その後,1998年にSchneiderらが,21例の肺動脈閉鎖・重症肺動脈弁狭窄の新生児に対する良好な成績を報告した(Palmazステント使用で,病院死亡は2例,その他19例は肺動脈弁のバルーン拡大術により動脈管依存状態から離脱) 391).さらに,2004年には,Gewillingら,Alwiらがそれぞれ10例,69例の同疾患群に対する動脈管ヘのステント留置術を報告した.この頃になると0.014インチのガイドワイヤや,4 Frないし5 Frのシースもしくはガイディングカテーテルを併用して,現在も使用されるような細径の冠動脈用ステントを留置するというより低侵襲な手技が取り入れられていた392, 393).体血流が動脈管に依存する疾患 表42 肺血流減少型心疾患の動脈管に対する経カテーテル 的拡大術の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 肺血流が動脈管に依存する先天性心疾患に対する初期治療は,プロスタグランジン持続静注が第一選択となる.体肺短絡術や心内修復術,狭窄・閉鎖した肺動脈弁のバルーン拡大術が次の治療方針となることが一般的である.しかし,長期のプロスタグランジン持続静注による医療費や静脈点滴路感染の問題が大きい場合,早産,低出生体重,重度の循環不全,出血傾向などで全身状態が心臓外科手術に耐えられないと判断されるといった場合には,代替の方針としてステント留置による動脈管の維持を考慮する. IIa C動脈管に対するステント留置術は,先天性心疾患カテーテル治療の豊富な経験と,心臓外科チームとの協議による適応決定,また術中術後の補助循環装着や開心術への移行を含めたバックアップ体制のもとで行うことを考慮する. IIa C