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する方法である186–189).Brockenbrough法で心房中隔を穿刺し,そこに8~12 mm径のバルーンカテーテルを挿入して心房間交通を作成する.大きな欠損孔を作ると低酸素症が強くなりすぎるため,小さめのバルーンより開始したほうが安全であるが,死亡率は16%と高いことが報告されている.しかし,放置すれば1年生存率が40%以下の症例が対象であり,許容範囲とされている184, 185). 1.7 先天性大動脈弁狭窄(表23) 先天性大動脈弁狭窄(AS)に対するバルーン拡大術は, 1983年のLababidiによる8歳男児に対する報告に始まる190).同じ1980年代に,乳児・新生児に対する適用が報告され191, 192),その後,現在まで数多くの報告がなされているが,ほとんどが単施設からの観察研究であり,外科的弁形成術とのランダム化比較試験は存在しない.しかし,その低侵襲性と急性効果から,欧米のみならず,わが国においても,重症度の高いASにおいては第一選択の手法として確立してきた193).小児において,適切な手法によるバルーン拡大術を単回あるいは段階的に適用することで,長期に有効性が得られる場合もあるが,大部分の症例でいずれは再狭窄や弁逆流が生じるために外科治療を要する.したがって,バルーン拡大術はあくまでも姑息的治療の位置付けとされる194–200). 1.7.1 新生児重症AS AS病変が高度なほど,左室容量は小さいか,収縮力が低下する傾向にある.また,左室容量や収縮力が正常に近くても,顕著な心内膜線維弾性症が進展し,拡張能低下を伴う場合がある.このような左室機能不全が併発し,体循環が動脈管を経由した右室からの拍出に依存する循環動態を呈する疾患を重症AS(critical aortic stenosis)と定義 する201).狭窄解除後に,必要に応じて左室リクルートメントを適用することにより左室機能の改善が期待されるが202),二心室循環が成立しないと判断される場合には,肺静脈還流障害による肺高血圧が進展する前に,ハイブリッド治療(外科的両側肺動脈バンディング術+動脈管ステント留置術)またはNorwood型第1期手術に切り替える必要がある. 経皮的バルーン拡大術の際には,順行性アプローチと逆行性アプローチがあるが,小さい左室内でのカテーテルの反転,カテーテルやガイドワイヤによる僧帽弁の損傷のリスク等から,順行性アプローチが選択されることは少ない.逆行性アプローチでは,大腿動脈,総頚動脈,臍帯動脈,腋窩動脈にシースを留置する.なかでも,同じ個体でももっとも径が大きく,大動脈弁まで直達できることから, 表22 先天性心疾患に対する心房間交通作成に関する推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 適応のある疾患に対し,心房中隔穿刺針を用いた心房中隔穿刺を行う. I C左心低形成症候群などで左房圧が高く,肺静脈還流が心房間交通に依存している疾患に対し,左房圧減圧のためにステント留置 *を考慮する. IIa C特発性肺高血圧症の末期右心不全に対し,心房間交通の作成を考慮する. IIa C * この場合,カテーテルを右心房から左心房へ通すルートおよび治療法には,大 腿静脈,臍静脈,肝臓穿刺,ハイブリッド法などがある.表23 先天性AS に対するバルーン拡大術に関する推奨と エビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 新生児の動脈管依存性重症AS や,左室収縮能が低下した先天性AS に対し,二心室修復を想定する場合には,圧較差にかかわらずバルーン拡大術もしくは外科的弁形成術を行う. I B症状のない先天性AS では,安静時の心臓カテーテル検査で測定した収縮期圧較差50 mmHg 以上でバルーン拡大術もしくは外科的弁形成術を行う. I B胸痛,失神などの症状がある場合,心電図でストレインパターンが認められる場合は,圧較差40 mmHg 以上でバルーン拡大術もしくは外科的弁形成術を行う. I C運動競技への参加や挙児希望の場合は,圧較差40 mmHg 以上でバルーン拡大術もしくは外科的弁形成術を考慮する. IIa C新生児の動脈管依存性重症AS や,左室収縮能が低下した先天性AS に対し,有意な左室低形成あるいは心内膜線維弾性症が顕著である場合に,バルーン拡大術もしくは外科的弁形成術を考慮してもよい. IIb Cカテーテルで測定した圧較差が40 mmHg 未満で,無症状あるいは心電図でストレインパターンが認められない先天性AS に対し,バルーン拡大術もしくは外科的弁形成術を行うべきではない. III Harm C外科的弁形成術が適応となる中等度以上の大動脈弁逆流を伴う先天性ASに対し,バルーン拡大術を行うべきではない. III Harm C