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p.31 抽出テキスト

に留置可能で,完全閉鎖率は当日89%,1年後99.7%と良好で,透視時間も中央値7.1分と短い.ADOはコルク栓に似た形態で肺動脈側にretention diskを有さないため,離脱後に肺動脈端が動脈管内に移動し,閉鎖栓が大動脈内に突出・脱落することがある.この現象は動脈管が伸縮性に富む場合,とくに小さな乳児で起こりやすい158).ADO離脱前には下行大動脈およびデリバリーシースから造影し,1ADO肺動脈端が動脈管内でなく肺動脈内にある, 2ADO体部が動脈管の最狭部に挟まれてウエストを形成した形態で固定されていること,を確認する.ADOの導入により,太い動脈管もより確実かつ容易に閉鎖することが可能になったが,幼児の場合は大動脈縮窄を合併する可能性があるのでKrichenko分類のB型の閉鎖は難しく,D型でも困難な場合がある159). b. ADO II

ADO IIは2019年に保険収載された.大動脈側と肺動脈側の両側に脱落防止用のディスクが存在するので,動脈・静脈のどちらからもアプローチ可能な構造となっている(図5).現在,わが国で使用可能なデバイスは8種類あり,それらのサイズは以下である.ウエスト径/全長/ディスク外径の順に,3/4/9,3/6/9,4/4/10,4/6/10,5/4/11,5/6/11, 6/4/12,6/6/12.動脈管の直径(ダクトオクルーダーの中心部が配置される動脈管径)と長さ(膨大部から肺動脈端までの長さ)からデバイスを決定する.デリバリーカテーテルは4 Frまたは5 Frである.適応となる動脈管最小径が5.5 mm以下とADOより細い動脈管が対象となるが,長さは12 mm未満とより長い動脈管に対応しており,ADOでは閉鎖が困難な場合があるKrichenko分類のC,D,E型の非円錐形の動脈管に対しても両側のディスクがあるため脱落のリスクが軽減される.米国の25施設で行われた単群,非盲検,多

施設共同試験の結果では,C型4例,D型10例,E型38例を含む合計192例(年齢6ヵ月~18歳)が登録され,留置成功率は92.7%(178/192)であった.残存短絡とデバイス塞栓はともに0.5%であった160).しかし,とくにC,D,E型を閉鎖した場合にディスクの上端が大動脈側へ突出(多い報告で15~16%)

161, 162)して大動脈縮窄を合併する場合があり,

体格が小さい乳幼児ではとくに注意を要する. c. Amplatzer PiccoloTM Occluder

Amplazter Piccolo TM Occluderは,おもに早産児PDA閉鎖用に開発されたデバイスである.2019年1月にFDAで承認され,わが国では2020年4月に保険収載された. ADO IIと同様に中心部のウエストと,その両端の保持ディスクから構成されている.動静脈のどちらからもアプローチが可能である.デバイスサイズ(mm)はウエスト径/両ディスク間長/ディスク径の順に,3/2/4,3/4/4,3/6/4, 4/2/5.25,4/4/5.25,4/6/5.25,5/2/6.5,5/4/6.5,5/6/6.5があり,4 Frのデリバリーカテーテルで留置可能である.体重700 g以上での留置が認められていて,体重2 kg以下の早産児の場合は,通常動脈管形態がF型(ホッケースティック様で長い)であり,ディスクの突出による大動脈縮窄と左肺動脈狭窄を避けるようデバイス全体を動脈管内へ留置する.基本的にウエスト径がPDA最小径より1 mm大きく,両ディスク間長が動脈管長以下のデバイスが選択される.

一方,体重2 kg以上の場合は,A型の割合が多くなり,またデバイス塞栓も発生しやすくなるので,ADO IIと同様に,ウエストは動脈管内に,両側の保持ディスクはそれぞれ動脈管の大動脈側および肺動脈側に留置する.動脈側・静脈側のどちらからでも留置可能だが,体重2 kg以下の場合は大腿動脈閉塞を避けるため,大腿静脈からアクセスする.適応となる動脈管径は4 mm以下,長さ3 mm以上とされており,ADO IIの対象となる動脈管よりさらに細く,短い.ディスク径が小さいため,体重2 kg以上の場合は大動脈側に突出させずに留置できるが,脱落のリスクは上昇する.

米国の前向き多施設共同試験では,治療時の平均月齢1.25ヵ月,平均体重1.25±0.35kg(範囲0.7~2.0)の早産児100例に本デバイスが留置された.PDAの平均最小径2.8±0.7 mm(範囲1.4~4.0),最大径は4.1±0.6 mm(2.0 ~6.0),長さは10.6±2.2 mm(5.3~19.2)で,その形態はほとんどがF型(70%)とC型(16%)であり,そのうちの83.8%は最短長のデバイス(3/2/4,4/2/5.25,5/2/6.25)が留置された.閉鎖成功率は99%で,6ヵ月後の閉鎖率は100%であった.術中の脱落を2例に認め,デバイスは回収され,アップサイズデバイスが留置された.左肺動脈狭

図5 ADO II の留置法(Saliba Z, et al. 2009 160)より) Saliba Z, et al. J Interv Cardiol. 2009; 22(6): 496-502. John Wiley and Sons. (c) 2009, the Authors. Journal compilation (c) 2009 Wiley pediodicals, Inc.

A: 動脈側からADOIIを留置B: 肺動脈側からADOIIを留置