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ている103).近年,心房細動に対するカテーテルアブレーションが広く普及しており,心房細動の既往もしくは可能性のある成人ASDではカテーテル閉鎖術に先行してカテーテルアブレーションを実施し,遠隔期の心房細動発生を予防することが望ましい104).慢性(永続性)心房細動の場合には,抗凝固療法を継続したままデバイス閉鎖のみを実施しても臨床症状の改善が得られることが報告されている105).小児期の閉鎖術に伴う術後不整脈として房室ブロックが報告されており,欠損孔に対し大きな閉鎖栓を留置することが要因とされているが,成人ではまれである106). vi. フォローアップ 肺高血圧症,不整脈,慢性心不全を有する患者では,病態に応じて外来受診間隔を調整することが推奨される. 1.2 開窓Fontan術後(表18) Fontanの開窓作成と後の経カテーテル閉鎖術は,高リスク患者において手術の生存率向上と術後の合併症低減をもたらすとして1990年に初めて報告された.この戦略のコンセプトは,Fontan循環の成立がボーダーラインの患者(心室機能低下,肺動脈狭窄,肺血管抵抗上昇の合併など)において,Fontan循環に右左短絡をもたらす解放経路を作成し,酸素飽和度の低下と引き換えに心拍出量を維持することにある. 開窓の作成が真に患者に恩恵をもたらすのかについては議論があるが,高リスク患者の手術生存率向上と,術後の胸腔ドレーン排液量の減少,留置期間の短縮,心拍出量の上昇,長期的な不整脈の頻度の減少が報告されている107–110).しかしながら,単心室患者の究極の治療到達点は体循環と肺循環の分離にある.加えて,長期的に開窓を有する患者においては,チアノーゼと静脈血流停滞がある状況下で心房位の短絡に起因する奇異性塞栓症のリスク増加が懸念される.近年の報告では,胸腔ドレナージの量と留置期間に関して,低リスク患者では開窓の有無で差はなく,開窓の恩恵は高リスク患者においてのみ見られたとされている111).開窓の閉鎖について本来はほかの適応のために作られた閉鎖デバイスを用いて閉鎖する数々の手技が報告されている112–117).両心カテーテル評価と造影を行っ たあとに,静脈側から開窓部にカテーテルを通し,一時的な閉鎖試験を行う(10~20分).血行動態の変化が耐容可能(酸素飽和度の上昇に伴うFontan循環の圧上昇と心拍出量の低下が許容範囲内)と判断されたら,デバイスを選択して閉鎖を行う.デバイスのタイプはFontan手術の種類,患者の体格,開窓の形態的な特徴などによるが,わが国で多く用いられる心外導管のグラフトにパンチアウトする形態では,ダブルディスク型のデバイスが適する場合が多いと考えられる.国内のダブルディスクデバイスで開窓閉鎖に適応を取得したデバイスはない.過去の報告では,この手技の成功率は高く合併症も少ない.閉鎖後の観察では,酸素飽和度の上昇と臨床症状の改善は持続するが,客観的運動負荷試験における所見の改善に関しては諸説がある118–122).急性の閉鎖試験に耐容した患者においてカテーテル治療が長期予後を改善するか否かは明らかでない部分があるが,開窓の自然閉鎖は良好なFontan循環を示唆し,閉鎖不能な血行動態は死亡やFontan循環不全の指標になるとされる123). 1.3 心室中隔欠損症 心室中隔欠損症(VSD)は先天性心疾患の約20%を占める.短絡量に応じて左心不全,肺高血圧,不整脈などを合併する.心室中隔は膜様部(membranous)と筋性部(muscular)に分けられ,さらに筋性部は右室の形態から流入部(inlet),肉柱部(trabecular),流出部(outlet portion)の3部分に分けられる.VSDはこれらのいかなる部位にも発生し,単孔性の場合が多いが,多孔性の場合もある.ときには肉柱部にスイスチーズ様の多孔性に存在する場合がある.日本人では流出部の筋性欠損が多い特徴がある.日本循環器学会の「成人先天性心疾患診療ガイドライン(2017年改訂版)」53)では,VSDの外科的修復術の適応は欠損孔の部位によらず肺体血流比が1.5以上,もしくは小短絡でも大動脈弁逸脱や大動脈弁閉鎖不全が顕著で進行性の場合,もしくは圧較差50 mmHg以上の右室流出路狭窄を認める場合(右室二腔症)とされている.AHA/ ACCのガイドライン124)の推奨もほぼ同様で,肺動脈圧が体血圧の1/2以下かつ肺血管抵抗が体血管抵抗の1/3以下であって,左室容量負荷を認め,肺体血流比が1.5以上の場合,VSDにより生じた大動脈弁閉鎖不全が進行性である膜様部もしくは流出部のVSDでは閉鎖が勧められている. 膜様部VSDに関しては,新生児期から成人に至るまで外科的閉鎖術が有効かつ安全に施行されている.カテーテル 表18 先天性心疾患に対する開窓Fontan の閉鎖に関する 推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 慢性期の開窓Fontan 術後患者において,血行動態が良好かつ試験閉鎖結果が適切であれば,カテーテル閉鎖を考慮する. IIa C