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p.12 抽出テキスト

先天性心疾患,心臓大血管の構造的疾患(structural heart disease)に対するカテーテル治療のガイドライン

18.9%と非常に高く,重症大動脈弁狭窄や肺動脈閉鎖などの新生児の重症例に対するカテーテル治療の合併症発生率が11~19%で,そのほかの手技の2~4%と比較するとこれらの手技のリスクが高いことが示唆されている.また

合併症の発生は,新生児から乳早期症例に多く,年齢的要素も大きいと考えられる.

この20年間,シースの細径化や治療器具の進歩や手技の改善などにより手技自体の安全性は向上してきたが,それにもかかわらず合併症発生率と死亡率は2008年以後ほぼ一定の発生率で推移している.その理由としては,新しい治療法の導入に加え,治療対象や治療適応の拡大に伴って,より難度が高いカテーテル治療が増加していることが考えられる.また,ステント留置に関する合併症発生率が高い理由としては,小児用のステントの開発・導入が進んでいないことも無関係とはいえない.さらに治療を行う施設や術者の増加に伴う術者の熟練度の問題など,さまざまな要因が考えられる30).

診断カテーテルまたは治療目的のカテーテルにかかわらず,頻度が高い合併症としては,穿刺部の血管損傷(動静脈の閉塞,血腫,動静脈瘻)が1.4%,不整脈が1%と報告されている7, 10, 14).このほか,出血,血栓塞栓,感染,神経系合併症,麻酔や薬物に関連した合併症,大血管や心房の穿孔,心室弁の損傷が報告されている.カテーテル治療に特有な合併症としては,バルーン拡大に伴うバルーン破裂や回収困難,血管形成術に伴う血管壁解離や血管穿孔,仮性動脈瘤形成,バルーン弁形成術による弁逆流の出現や増悪,弁輪破裂,ガイドワイヤなどによる右室流出路穿孔,コイル閉鎖栓,ステントなど留置型デバイスの脱落

表7 わが国における小児カテーテル治療の合併症(JCIC 統計データより)

2008 年2009 年2010 年2016 年2017 年2018 年

カテーテル治療総件数3,058 3,571 3,767 4,380 4,804 4,909死亡率(%) 0.1 0.25 0.13 0.3 0.1 0.2合併症発生率(%) 3.1 3.1 2.7 4.1 3.8 3.8大動脈弁形成術3 5.8 14.6 2.4 2.4 10.4肺動脈弁形成術6 6.6 4.4 3.7 3.7 4.1バルーン拡大術1.8 2.8 2.5 4.4 5.3 4.4ステント留置16.7 18.9 10.7 13.3 14.4 9.3心房中隔裂開1 2.1 3 2.7 2.2 4.3コイル塞栓術3.6 2.3 1.8 3.6 3.9 3.9 ASD閉鎖術1.9 1.7 1.2 1.8 1.8 2動脈管閉鎖術1.9 2.3 0.5 4 4 2.2 (日本Pediatric Interventional Cardiology学会.2009

24),日本Pediatric Interventional Cardiology学会.2010 25),日本Pediatric Interventional Cardiology学会.2011

26),金成海,他.2017 27),芳本潤,他.2018 28),金成海,他.2019 29)より作表)

表6 小児におけるカテーテル検査・治療のリスク因子・ 体格・ 未熟性・ 遺伝疾患・ 先天性心疾患・ 不安定な血行動態・ 麻酔・鎮静の必要性・ 高い放射線感受性・ 心臓以外の先天異常の合併気道・肺疾患消化管異常腎疾患肝疾患神経・筋疾患血液疾患・凝固異常・ 検査/治療手技の多様性と難度

vascular approach (穿刺の困難性)緊急的治療が多い多様な治療手技:症例に応じた治療の必要性治療手技の難度治療者および介助者の熟練度施設の治療件数多領域にわたる治療チーム体制小児用検査・治療deviceの開発(Bergersen L, et al. 2011

10),Jayaram N, et al. 2017 14),Lin CH, et al. 2014 21),Holzer RJ, et al. 2020

22),O'Byrne ML, et al. 2019 23)より作表)