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p.112 抽出テキスト

先天性心疾患,心臓大血管の構造的疾患(structural heart disease)に対するカテーテル治療のガイドライン

(ASA),transcoronary ablation of septal hypertrophy (TASH),nonsurgical septal reduction therapy(NSRT), nonsurgical myocardial reduction(NSMR)という表現も使用される930).欧米では,ASAの使用が一般的であ

る.文献などを参照する際には注意が必要である.

a. SRTの適応

ACC/AHAガイドライン2011 931),ESCガイドライン

2014 932),2014年版先天性心疾患,心臓大血管の構造的疾

患に対するカテーテル治療のガイドライン2)および日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版) 927)において,PTSMAおよび外科的中隔心筋切除術は中隔縮小治療(SRT)と総称されている.したがって,PTSMAの適応を考える際には,まずは当該症例がSRTの適応か否かを検討する.そして,適応と判断した場合に,外科的中隔心筋切除術あるいはPTSMAのどちらを優先されるかどうかを検討する.SRTの適応症例は,i. 左室流出路閉塞を伴う肥大型心筋症すなわち閉塞性肥大型心筋症,あるいは心室中部閉塞性肥大型心筋症であること,かつii. 薬物療法抵抗性であること, iii. 症候性であること,である. i. 左室流出路閉塞の有無および程度の評価(表97,表98)と心室中部閉塞性肥大型心筋症

安静時にドプラエコー上,ピークの左室流出路圧較差(peak LVOT PG)が30 mmHg以上であれば,左室流出路閉塞があると診断するが,侵襲的治療の適応となるのは50 mmHg以上である931, 932).また,誘発型左室流出路閉塞は,安静時peak LVOT PGが30 mmHg未満であるが,誘発時には30 mmHg以上の圧較差を認める場合を指す.誘発型も同様に,誘発時にpeak LVOT PGが50 mmHg以上を認める場合に治療適応とされる.肥大に伴う心室中部での30 mmHg以上の圧較差を認める場合,心室中部閉塞性肥大型心筋症とよぶ. ii. 薬物療法抵抗性

閉塞性肥大型心筋症に対して用いられる薬物のうち,日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)で,クラスIおよびIIaで推奨されている薬剤は,β遮断薬,非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬であるべラパミルおよびIa群抗不整脈薬(シベンゾリンあるいはジソピラミド)である927).β遮断薬,べラパミルに加え,シベンゾリンあるいはジソピラミドを追加,またはβ遮断薬にシベンゾリンあるいはジソピラミドを追加し,それでも症候性であれば薬物療法抵抗性と判断する. iii. 症候性か否か

閉塞性肥大型心筋症あるいは心室中部閉塞性肥大型心筋症に伴う症状,たとえば,息切れ,動悸,胸痛,失神などの有無を詳細な病歴聴取にて確認する.症状がない症例

6.1.5 PTSMAの適応

表97 肥大型心筋症の分類

1 閉塞性肥大型心筋症(HOCM)

・ HOCM(basal obstruction)

安静時に30 mmHg以上の左室流出路圧較差を認める.・ HOCM(labile/provocable obstruction)

安静時に圧較差は30 mmHg未満であるが,運動などの生理的な誘発で30 mmHg以上の圧較差を認める. 2. 非閉塞性肥大型心筋症(non-obstructive HCM)安静時および誘発時に30 mmHg以上の圧較差を認めない. 3. 心室中部閉塞性肥大型心筋症(MVO)肥大に伴う心室中部での30 mmHg以上の圧較差を認める. 4. 心尖部肥大型心筋症(apical HCM)心尖部に限局して肥大を認める. 5. 拡張相肥大型心筋症(dilated phase of HCM: D-HCM)肥大型心筋症の経過中に,肥大した心室壁厚が減少・菲薄化し,心室内腔の拡大を伴う左室収縮力低下(左室駆出率50 %未満)をきたし,拡張型心筋症様病態を呈する. (日本循環器学会, 日本心不全学会. 2019927)より)

左室壁15 mm以上の心肥大(肥大型心筋症の家族歴がある場合は13 mm以上)

・サルコメア遺伝子変異を認める・サルコメア遺伝子変異は認めないがほかの二次性心筋症は否定されている・遺伝子検査は施行できていないがほかの二次性心筋症は否定されている二次性心筋症

高血圧などの圧負荷や二次性心筋症を疑う所見があるか?

ないある

肥大型心筋症

図22 肥大型心筋症の表現型の分類(日本循環器学会, 日本心不全学会. 2019927)より)

表98 左室のdynamic obstruction の定義

閉塞状態条件圧較差閉塞性安静時≧30 mmHg非閉塞性安静時生理的誘発<30 mmHg <30 mmHg誘発性閉塞安静時生理的誘発<30 mmHg ≧30 mmHg