GL検索 v0.1.0
画像は 92 ページを描画したものです
page 92

p.92 抽出テキスト

慢性 PR:心エコードプラ法

重症 PR

中等症 PR

軽症 PR

多くの基準を満たす多くの基準を満たす・ 満たす基準が少ない・ 中間的な値をとる

軽症 PRか? ≪エコー指標≫重症 PRか? ≪エコー指標≫

・ 末梢肺動脈からの引き込み血流・ PR-ジェット幅/肺動脈弁輪径≧0.7・ 強いCWシグナルでPHT<100 ミリ秒・ PR-index<0.77・ 右室の明らかな拡大

各指標が軽度を超えて重症未満

右室は正常か軽度拡大

・ 血流幅の狭い小さな逆流ジェットを弁下に認める・ CW(連続波ドプラ)シグナルが弱い・ 血流速減衰が緩徐(長いPHT)・ 右室の拡大を認めず

図20 PR の重症度評価におけるアルゴリズム

るがVSDを伴わないIV型に分類される.本疾患は先天性心疾患の5~7%を占める588).I型とII型における手術法については,大血管転換術(ジャテーン手術)と心房内血流転換術(セニング手術,マスタード手術)の2種類の手術があるが,1980年代を移行期として,セニング/マスタード手術からジャテーン手術へ変遷してきた.現在では特別な例外を除いてジャテーン手術が標準術式となっている.

4.2.1 ジャテーン術後

ジャテーン手術は両大血管を半月弁上で切断して大血管の位置を入れ替え,冠動脈も新しい大動脈へ移し替える手術法を指す.大別すると,肺動脈を新しい大動脈の腹側に引き出すLe Compte法を加える場合と,肺動脈を大動脈の側方を通して大動脈後方で再建するoriginal ジャテーン法の2種類がある.いずれの手術においても手術に関連した合併症は次の4点に集約される:1冠動脈の移動に伴った後遺症,2肺動脈を大動脈の腹側へ引き出すことに関連した後遺症,3AR,4大動脈弁上の縫合部狭窄.

1冠動脈の移動に伴った合併症

冠動脈の狭窄や閉塞は術後1~8%に認められる.手術手技に関連した術後早期の合併症として認められる場合と遠隔期に合併する場合がある.遠隔期の冠動脈病変は,冠動脈の移動に伴った血管の捻れなどにより,血管内に乱流が起こることで剪断応力が増し内膜肥厚

を引き起こすためと考えられている589).冠動脈狭窄や閉塞の合併は,心筋梗塞,左室機能不全,突然死を引き起こす587). 2肺動脈を大動脈の腹側へ引き出すことによる合併症

術前は大動脈背側に位置していた肺動脈を前方に引き出すことで,末梢肺動脈枝が過伸展する位置関係となり,肺動脈分岐部狭窄を合併しやすい.また,大動脈基部の拡大に伴って背側から右室流出路と肺動脈弁輪が圧排されることで,肺動脈狭窄が引き起こされる場合もある.右室流出路から肺動脈分岐部にかけての狭窄はジャテーン術後の合併症として最も多く,7~ 40%に認められる. 3AR

ARを合併する機序としては,組織学的に脆弱な肺動脈弁が体血圧を支える半月弁として使用されている解剖学的要因が大きい.また,経年的な大動脈基部の拡大も関与する.軽度なものを含めると閉鎖不全は術後15年で30%の患者に認められ,その後も経年的に増加し,大動脈弁置換などの手術介入を要する頻度は全体で1.4%と報告されている590). 4大動脈弁上の縫合部狭窄

術前の上行大動脈径が細く,肺動脈基部との口径差が