p.23 抽出テキスト
的で,最大負荷の直後(リカバリー時)に負荷時の記録を行うことは許容されている.負荷時のE/e’(中隔側,側壁側の平均)>14,E/e’(中隔)>15 は,左室充満圧の上昇を示唆する所見である108). 薬物負荷では主にドブタミンが用いられる.ドブタミン負荷心エコー法は,虚血性心疾患における心筋虚血評価と心筋バイアビリティ評価に用いられる109-112).また,LVEFの低下した古典的低流量低圧較差重症ASを疑う症例が,真の重症ASであるか,並存疾患による左室機能低下に伴う偽性重症ASであるかの鑑別や,左室収縮予備能の評価などにも有用である113-115).心筋虚血評価を目的としたドブタミン負荷のプロトコールは以下のとおりである97).ドブタミン5μ g/kg/分より投与を開始し,10,20,30,40μ g/ kg/分と3分ごとに増量していく.ドブタミンを40μ g/kg/分まで投与しても目標心拍数あるいは中止基準を満たさない場合には,50μg/kg/分までドブタミンを増量するか, アトロピンを1分ごとに0.25 mgずつ最大2 mgまで投与する.また,ドブタミン最大量投与下にハンドグリップ負荷(最大握力の1/3)を追加することも有用であるとの報告もある116).心筋バイアビリティ評価やASの重症度評価に用いる低用量ドブタミン負荷心エコー法は5μg/kg/分より投与を開始し,10,15,20μ g/kg/分と5分ごとに増量するプロトコールが一般的である(図7). 運動負荷心エコー法は合併症の頻度が低い検査とされているが,重症不整脈や心筋梗塞などの重篤な合併症が0.2%以下の頻度で発生すると報告されている117).ドブタミン負荷心エコー法では,特に不整脈などの合併症の頻度がやや高いことに留意すべきである118, 119).負荷検査を安全に施行することは極めて重要であり,運動および薬物負荷法の禁忌や,負荷の中止基準を熟知する必要がある(表9) 120). 図7 ドブタミン負荷心エコー法のプロトコールA:虚血検出のためのプロトコール40μg/kg/分まで投与しても目標心拍数あるいは中止基準を満たさない場合には,50μg/kg/分までドブタミンを増量するか,あるいはアトロピンを1分ごとに0.25 mgずつ最大2 mgまで投与する. B:心筋バイアビリティ評価やASの重症度評価に用いる低用量ドブタミン負荷プロトコール5μg/kg/分より投与を開始し,10,15,20μg/kg/分と5分ごとに増量するプロトコールが一般的である. Echo:心エコー法実施,BP・HR:血圧・心拍数測定 0 Echo BP・HR Echo BP・HR Echo BP・HR Echo BP・HR Echo BP・HR Echo BP・HR Echo BP・HR 安静5 10 Aドブタミン負荷 負荷開始負荷終了 アトロピン 20 30 40 50 μg/kg/分 3 6 9 12 15 18分負荷終了後5分 0 Echo BP・HR Echo BP・HR Echo BP・HR Echo BP・HR Echo BP・HR 安静5 10 B低用量ドブタミン負荷 負荷開始負荷終了 15 20 μg/kg/分 5 10 15 20分負荷終了後5分