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p.21 抽出テキスト

模臨床研究の実施が望まれる.

なお,文献レビューによるエビデンスレベルの定義をより厳しく設定している Minds分類に準じては表8のような推奨とエビデンス分類となる.

TEE,心臓造影CTによる左心耳内血栓の有無に関する検討では,臨床的なアウトカムを比較して検証していないので,従来の推奨クラス,Minds推奨グレードいずれにおいてもエビデンスレベルは低く,その点に留意する必要がある. 3 負荷心エコー法

3.1 適応

負荷心エコー法の適応疾患は,虚血性心疾患をはじめ,心臓弁膜症,心筋症,肺高血圧症など多岐にわたる96-98).これら心疾患の症状は労作時に出現することが多い.運動を行うと骨格筋などの酸素需要が増加し,これに対応し,心臓は酸素供給量を高めるために心拍出量を増加させる.心拍出量の増加や運動に伴う血圧上昇,心拍数増加などは,心臓に対してダイナミックな変化を与え,負荷時の変化を捉えることは,心予備能の評価や治療方針の決定に有益な情報となりうる.

実臨床で主に用いられる負荷方法としては,運動負荷と薬物負荷があり,それぞれに特徴を有する.運動負荷はより生理的な負荷方法であり,煩雑ではなく,十分な負荷をかけられるという利点がある.また,運動能力,血行動態の評価等副次的な情報が得られる.一方で運動が困難な症例では施行できず,負荷終了後短時間に画像を収集しないと負荷により生じた虚血を見逃す可能性があること,また体動や呼吸の影響で画像が評価困難になる例があるという欠点がある.一方,薬物負荷は運動負荷が困難な症例でも施行可能であり,被検者の意志とは関係なく負荷をかけることができ,負荷中の各ステージでより良好な画像が得られる場合が多い.しかし,生理的な負荷法ではなく,負荷時の血行動態の変化から副次情報を得ることはできず,ドブタミン負荷ではβ遮断薬などの影響を強く受けるという欠点もある99, 100).これらの利点と欠点をよく理解して,それぞれの症例で適切な負荷法を選択する必要がある.

運動負荷の具体的な方法としては,等張性運動であるトレッドミル運動負荷,臥位エルゴメータ運動負荷や,等尺性運動であるハンドグリップ負荷などが挙げられる.等張性運動は,運動負荷の強度に応じて心拍出量が増加し,運動強度に比例して血圧や心拍数が直線的に増加する101).また,静脈還流量の増加に伴い心室は拡大する.これらの変化は,虚血の検出以外に弁膜症のさまざまな重症度評価においても有用性が高い.また,LVEFの保たれた心不全の早期診断や102),肥大型心筋症における潜在性左室流出路狭窄の検出などにも用いられる103).等尺性運動では,心拍数に比較して血圧の上昇が著明であり,左室壁に加わる壁応力を増大させる104).壁応力の増大は心筋酸素需要

表8心房細動カテーテルアブレーション治療の術前検査

としてのTEE の推奨とエビデンスレベル(Minds 推奨グレード,Minds エビデンス分類)

Minds推奨グレードMinds

エビデンス

分類

遅延像が撮像されていない心臓造影CT において,左心耳内血栓の存在が否定的であっても,科学的根拠はないが,TEE を行うよう勧められる. C1 IVb遅延造影が撮像された心臓造影CT において左心耳内血栓の存在が否定的な場合, TEE の施行が血栓検出の感度を向上させる科学的根拠はなく,TEE は行わないよう勧められる. C2 IVb TEE:経食道心エコー法

表7心房細動カテーテルアブレーション治療の術前検査

としてのTEE の推奨とエビデンスレベル(従来の推奨クラス,エビデンスレベル)

推奨クラスエビデンス

レベル

心房細動に対するアブレーション治療時に左心耳内血栓の存在が心臓造影CTで否定できない場合に,TEE を行う.(表6 より再掲) I B心臓造影CT において左心耳内血栓が否定的であっても,遅延造影像が撮像されていない場合には,TEE を考慮してもよい. IIb C遅延造影像が撮像された心臓造影CT において左心耳内血栓の存在が否定的な場合,TEE のルーチン実施は推奨されない*. III No benefi t C TEE:経食道心エコー法*遅延像を含む心臓造影CT撮像後に,カテーテルアブレーション治療までの期間に血栓が形成されるリスクがあると判断された場合,あるいは適切な抗凝固療法が継続されていない場合には,TEEの施行,あるいは再度の遅延像を含む造影CTの施行(腎機能障害のない対象において,再検査の有用性が被曝のリスクを上回ると判断された場合)を考慮する(クラスIIa).