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い部分の画質が低下し,画角が狭いため,左室拡大例では描出範囲が限られる.また,麻酔薬や鎮静薬が左室収縮機能を抑制することを念頭に置いて評価する. 2.4 3D経食道心エコー法 近年広く普及してきた3D心エコー法は,経食道心エコー法においても弁膜症や先天性心疾患の診断,外科手術・カテーテル治療の適応や周術期の評価に不可欠である.3D画像データにより,任意の断面での観察と,仮定式を用いない心腔容積の定量解析が可能となる.技術の進歩により3D画像の画質や時間分解能は向上したが,2D断層像の空間・時間分解能には及ばない.多くの病態は断層法のみで観察が可能であるが,心房中隔欠損や卵円孔開存のカテーテル閉鎖術や経皮的僧帽弁クリップ術,経皮的左心耳閉鎖術などのカテーテル治療の施行に3D心エコー法は不可欠である.これらの周術期診断と術中ガイドには,主に3Dズーム法またはfull-volume法が用いられる.full-volume法では複数の心拍の画像を収集して,より広い関心領域の立体画像を構築できる.3Dズーム法では限られた関心領域の中をより高い時間分解能で表示できる.その他,奥行を表現するライブ3D画像,多断面同時表示(multi-planar)法などの画像を状況に応じて使い分ける. 2.5 術中経食道心エコー法 心大血管手術の周術期にも経食道心エコー法は広く利用されている.弁形成術75-77)や冠動脈疾患78),人工弁置換術79),あるいは大動脈内ステント内挿術80)をはじめ,多くの心大血管疾患で使用されている.また,心大血管疾患以外の手術においても,心機能や左室壁運動を監視するために用いられ77),心タンポナーデ,急性出血,心筋梗塞などの合併症の早期検出が可能となる81-83).特にロボット手術を含めた小切開心臓手術では,術野の視界が限られるため,不可欠な検査法となっている.また,経皮的経静脈的僧帽弁交連切開術(PTMC),経カテーテル心房中隔欠損閉鎖術,経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI/TAVR),経カテーテル僧帽弁クリップ術,経カテーテル左心耳閉鎖術の施行中にも使用される.特に経皮的僧帽弁クリップ術と経カテーテル左心耳閉鎖術では留置するデバイスの位置を決めるために,3D経食道心エコー法を併用した経食道心エコー法による術中連続監視が不可欠である84-87). CQ 心臓造影CT にて左心耳内血栓の存在が否定的な場合に,経食道心エコー法(TEE)を施行しなくてもよいのか? 心房細動患者において,左心耳内血栓の検索のために行った心臓造影CTにて,左心耳内血栓の存在が否定できない場合にTEEを行う(推奨クラスI,エビデンスレベルB)ことを本ガイドラインは提示した(表6).反対に,心臓造影CTにて左心耳内血栓の存在が否定的な場合に,TEEは推奨されないのか(推奨クラスIII no benefit) (表7),それでもやはりTEEを考慮するのか(推奨クラスIIa),あるいはTEEを考慮してもよいのか(推奨クラスIIb) (表7)を議論しておく必要がある.心房細動患者における左心耳内血栓の検索は,心房細動のアブレーション治療前に行われることが多く,もし左心耳内に血栓があれば手技で遊出させることが危惧され,結果は重大である.文献をレビューすると, 心臓造影CTによる 左心耳内血栓の検出精度の研究は,TEEによる左心耳内血栓の診断結果をゴールドスタンダードとしている.Aimoらのメタアナリシス88)によると,TEE所見をゴールドスタンダードにした心臓造影CTによる左心耳内血栓の検出感度は10研究中の5研究で感度100%であり,したがってこれらの研究では有病率にかかわらず陰性適中率も100%となる.他の5研究においても4研究で陰性適中率98%以上であったが,残りの1研究ではやや低く92%であった.遅延像の撮像追加によって感度,特異度,陽性・陰性適中率すべてが100%に至ったという結果が順次報告されており89-91),遅延像を含む適切なプロトコルによって撮像された造影CTにおいて,左心耳内血栓陰性と判定されればTEEは推奨されないと考える.ただし,左心耳内血栓の検出に関してTEE所見にも偽陰性が存在することは周知であり92-95),両モダリティー間の診断精度を比較するのみでは左心耳内血栓検出における心臓造影CTの真の診断精度を明らかにすることはできない.また,2011 ACCF/AHA/HRSの心房細動治療に関するガイドラインは,唯一TEEを左心耳内血栓評価のモダリティーとして推奨している70).左心耳内血栓の検索を造影CTあるいはTEEいずれかに割り付け,開心術中に観察した左心耳内血栓の有無や心房細動に対するカテーテルアブレーション治療後の塞栓症発症を臨床的なアウトカムとして前向きに比較した研究報告は,現時点(2021年3月)では確認できなかった.最終的な結論を得るためには,前向き登録多施設共同大規