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p.104 抽出テキスト

図30 Stanford A 型急性大動脈解離例の経食道心エコー画像左:長軸断面像.右:短軸断面像.上行大動脈の大動脈弁直上に可動するフラップ(白色矢印)を認めた.

図31 Stanford B 型急性大動脈解離例の経食道心エコー画像左:下行大動脈の短軸断面像.フラップとエントリーが視認できる.右:カラードプラ像.真腔から偽腔へエントリーからの血流が認められる.

できない症例では考慮してもよい.また術中経食道心エコー法は,上行大動脈に存在するエントリー部位の描出や術中の病態把握に非常に有用である.また経胸壁心エコー法では描出が難しい胸部下行大動脈や分枝血管の描出, ARに対する治療を行った場合の閉胸前評価に有用である.一般的に,上行大動脈,大動脈基部および大動脈弁の観察には100~150度の長軸像あるいは0~60度の短軸像が使用される(図30).腕頭動脈分岐直後の弓部大動脈の一部は右気管支および気管が間に入り込み描出ができずに死角となる.下行大動脈の観察には0度の短軸像と90度の長軸像が有用であり,腹腔動脈分岐部付近から左鎖骨下動脈分岐部までを観察することができる647).解離部位の観

察では,真腔・偽腔の形態,エントリー部位の描出が可能である(図31).また偽腔閉塞型大動脈解離の診断に有用である649).偽腔閉塞型解離では内膜石灰化の偏位を認め,内膜面が平滑である点が壁在血栓とは異なる.特に,ULP (ulcer-like projection)型解離では,造影CT検査でULPが観察された場所に一致して,エントリー部位からの偽腔への血流が認められる.また大動脈解離の亜型である穿通性大動脈粥状潰瘍(penetrating atherosclerotic aortic ulcer)では形態不正な大動脈潰瘍と中膜血腫を認め,診断に有用と報告されている650).