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p.102 抽出テキスト

図25 腹部大動脈に解離が認められた症例の経胸壁心エコー画像腹部大動脈にフラップ(白色矢印)が認められ,大動脈解離と診断された.左:腹部大動脈の長軸像,右:腹部大動脈の短軸像

junction)の拡大による大動脈弁の接合不全(図27,28), 2大動脈弁輪部への解離波及による弁逸脱,3フラップの大動脈弁口嵌入による弁尖の接合障害等,が考えられている645)(図29).解離による弁逸脱は無冠尖に多いことも特徴的である.ARの程度は,術式を決定する際に重要な判断基準となるため,術前に十分に評価しておくことが望ましい. iii. 心筋虚血

Stanford A型急性大動脈解離の3~9%で発症すると報告されており,大動脈基部では解離が大動脈右側に沿って生じることが多いため,右冠動脈に多くみられる646).胸痛以外にも房室ブロックなどさまざまな症状を呈する. Stanford A型解離では,心電図での評価に加えて,心エコー法で左室壁運動の評価を行い,心筋虚血の可能性の有無を確認しておくことが推奨される.また上行大動脈基部レベルの冠動脈起始部の評価が可能であれば,解離が冠動脈に及んでいるか否かを観察しておくことが必要である.また,もとより虚血性心疾患を有している患者が,急性大動脈解離を発症することも多い.このような場合には,たとえ解離が冠動脈に及んでいなくても手術リスクが増し,治療経過に影響を与える可能性が高い.発症時に,壁運動異常や弁膜症の程度も含めて心機能を十分に評価することが重要である. c. 経食道心エコー法による診断

食道は胸部大動脈に近接して走行しているため,経食道心エコー法は大動脈,特に下行大動脈の観察に優れている647).一般に,経食道心エコー法の際には鎮静が必要であり,プローブ挿入時の刺激により血圧上昇をきたす可能性があることから,やや侵襲的検査の扱いとなる.また食道疾患がないことをあらかじめ確認する必要がある.したがって,来院時に救急外来で施行するには十分な問診とインフォームドコンセントを必要とする.しかし,経食道心エコー法は大動脈解離の診断において,感度98%,特異度95%と高い診断精度を有するため648),造影CTを施行

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図26 Stanford A 型急性大動脈解離に合併した心タンポ

ナーデの経胸壁心エコー画像(四腔断面像)偽腔閉塞型解離に心タンポナーデを合併した例で,可動するフィブリン塊(白色矢印)とともに心膜液(黄色アスタリスク*)を認める.右室全面には血腫(赤色アスタリスク*)を認める.右室は圧排されている.