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p.7 抽出テキスト

改訂にあたって

循環器領域では診断・治療において診療用放射線が頻用される.2006年に公表された日本循環器学会の「循環器診療における放射線被ばくに関するガイドライン」は,心血管インターベンション治療やCT検査の急速な増加に対応して,2011年に大幅に改訂された.また,この2011年版ではクリニカルクエスチョンが設定されるなど,画期的かつ実用的な充実したガイドラインとなった.

その後の経過においても診療放射線管理の重要性がさらに強く認識され,2019年には「医療法施行規則」が改正された.そして日本循環器学会は厚生労働省から「診療用放射線に係る安全管理体制並びに診療用放射性同位元素及び陽電子断層撮影診療用放射性同位元素の取扱いの指

針」の策定を求められた.これまでも国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に基づいて「構造・設備に係る基準」「被ばく線量限度」などが規定されてきたが,放射線診療を受ける者の医療被ばくは人工的な被ばくの大半を占めており,年々増加していることが,今回の指針策定の背景となっている.特にわが国は他国と比べて被ばく量が多いといわれており,これにはさまざまな要因が考えられるが,人口あたりの装置台数が世界一多いCT検査の件数が増加していることも一因と考えられる.医療従事者は医療被ばく低減の重要性を十分に認識する必要がある.

CT 検査関連

ヘリカルスキャン寝台を移動させながら連続撮影する方法.スキャン軌道が螺旋を描くことが名称の由来で,螺旋スキャン,スパイラルスキャンとも呼ばれる.

ヘリカルピッチX 線管が1 回転する間の寝台の移動距離を体軸方向のビーム幅(スライス厚×スライス枚数)で除した値で,ヘリカルスキャンの速度を相対的に表す指標.

不変性試験機器の性能が設定基準を満たすことを確認し,機器の構成要素の性能変化を早期に発見するために実施する,日本産業規格(Japanese Industrial Standards: JIS)で規定された,一連の試験.

放射線線量構造化レポートRadiation Dose Structured Report: RDSR.医用画像機器の標準通信規格であるDigital Imaging and Communications in Medicine(DICOM)の構造化レポートの一種で,全ての照射情報を保持するレポート.

線量情報管理システム患者の医療被ばく線量の管理を行うために,医用画像機器から出力される線量情報を収集し,一元管理するシステム.「線量管理システム」とも称する.

逐次近似再構成処理オリジナルの投影データと再構成画像の投影データとの矛盾を,繰り返し演算によって最小にしながら再構成画像を得る処理.時間分解能1 画像中の時間成分の幅(時間幅).時間幅が狭いほど時間分解能が高い.

CT 透視ガイド下手技CT 画像をリアルタイムかつ連続的に再構成表示する手法(CT 透視)を用いて,針の刺入位置などをリアルタイムに観察しながら行う手技.核医学検査関連

ドーズキャリブレータバイアルや注射器(シリンジ)内の放射能を測定する装置で,計測値はBq(ベクレル),Ci(キュリー)の単位で表示される.

サイクロトロン電場加速された高エネルギーイオンと標的物質(ターゲット)の核反応により,核医学検査で用

いる201Tl,123I などの放射性核種や短半減期のPET 用核種(11C,13N,15O,18F など)を製造する円形加速装置.

放射性同位体radioisotope: RI.ある元素の同位体のうち,原子核が不安定であるために原子核が崩壊して何らかの放射線を放出するもの.

PET/CT PET(陽電子放出断層撮影)とCT を組み合わせた装置.陽電子放射性核種(11C,13N,15O,18Fなど)を体内に投与し,放出される光子の分布を検出して断層画像化する.

SPECT/CT SPECT(単一光子放射断層撮影)とCT を組み合わせた装置.放射性同位体を体内に投与し,放出されるガンマ線の分布を検出して断層画像化する.

放射性医薬品放射性同位体を用いた医薬品.注射などで体内に投与して診療に用いるものと,試験管内で血液微量成分を測定する目的に使用する体外診断用のものがある.自動分注投与装置18F-FDG などの放射性医薬品を指定量に分注して自動投与を行うための装置.