GL検索 v0.1.0
画像は 57 ページを描画したものです
page 57

p.57 抽出テキスト

6.8 小児に対するカテーテルアブレーション

小児に対して行われるカテーテルアブレーションの件数が増えてきている.小児は成人と比較して放射線感受性が高いものの,被写体厚が薄いため単位時間あたりの線量(線量率)は低い.低レートパルス透視は患者の被ばく線量低減に有用で,小児では心拍数が多いため使用されていない施設もあるが,実際に利用して確認することが重要である.また,グリッドを外す手法も有用である.グリッドは被写体からの散乱線を除去して画質を維持するための機器で,FPDやI.I.の前面に装着されている.FPDやI.I.を被写体から10~20 cm離すことにより散乱線を除去することができる.FPDやI.I.を用いると成人では画像が拡大して目的部位が視野に収まらないことがあるが,小児は目的部位も小さいため問題ない.

6.9 Q&A

【Q 19】 カテーテルアブレーションでの被ばくの特徴

カテーテルアブレーションにおける放射線被ばくにはどのような特徴がありますか. A 電気生理学的検査やカテーテルアブレーションでは撮影が行われることはまれで,透視がほとんどである.また, PCIで用いられるガイドワイヤよりもX線等価性が低い電極カテーテルやガイドワイヤを使用することが多いため,パルスレートを低下させても十分見ることが可能である. PCIと比較して透視の照射角が一定であることが多く,特に左前斜位での照射が用いられることが多い.以前は右肩甲骨,右上腕に対する被ばくが多かったが,最近の3次元マッピングシステムの進歩により被ばくは著明に軽減されている.

7 デバイス植込み

表38 不整脈に対するデバイス植込みにおける医療従事者と患者の被ばく線量低減のための推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

デバイス植込み時には可能なかぎりパルスレートを低くする211). I Aポータブル装置はアンダーチューブにて使用する211). I A

デバイス植込みに際しては可能なかぎり据置型装置を使用する211, 238). I B

7.1 被ばく線量低減のための工夫

患者の被ばく軽減は術者の医療被ばく軽減にも役立つ.デバイス植込みに際しては臨床工学技士,看護師などコメディカルも入室していることが多いため,X線管や患者付近にコメディカルがいないことを確認して透視を用いる.

7.2 患者への説明

デバイス植込みに伴う被ばく線量は一般的にきわめて低いが,冠静脈洞へのリード留置を要する両心室ペースメーカ/除細動器(CRT-P/CRT-D)植込みは被ばく線量が多くなることがある.術式に伴う合併症の説明,放射線による皮膚障害に関する説明をあらかじめ行い,患者の不安のみを無駄に増さないように心がける.放射線皮膚障害を起こす放射線量にはしきい値があること,経過によってしきい値を超える線量に達することがあるが,その場合は治療の継続の有無に関する了解を取るようにしていること,また装置を管理し,常に適切な線量で検査を実施していること,放射線皮膚障害が生じた場合の対応方法が策定されていること,などを説明する.統一したフォーマットを用いて一貫した説明を行うことが重要である.2014年の欧州の報告による主な不整脈デバイス治療手技における被ばく線量を表39に示す211).

7.3 被ばく線量増加の主な要因

冠静脈洞にリードを挿入する心臓再同期療法(CRT)では,通常のデバイス(シングル,またはデュアルチャンバーのペースメーカ,または植込み型除細動器〔ICD〕)に比較して解剖学的により難しい部位へのリード留置が行われ

表39 不整脈のデバイス治療における患者の放射線量

放射線量(mSv)中央値(最小値~最大値)

VVI/DDDペースメーカ,ICD植込みCRT-P/CRT-D植込み4(1.4~17) 22(2.0~16) (Heidbuchel H, et al. 2014 211) より作表)