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p.47 抽出テキスト

害を認める可能性が高いため,患者には2~4週間後に放射線入射部位の皮膚を観察するように伝えるべきである182).

ICRP Publication 118(2012年)では水晶体被ばくによる白内障発症のしきい線量を5 Gyから0.5 Gyへと引き下げる勧告がなされ,水晶体被ばく防護の最適化を強調している26).職業被ばくについて定められた,5年間の平均で20 mSv/年,かつ,いずれの1年においても50 mSvを超えないとする水晶体等価線量限度についても,明記された.

これらに対し,発癌・遺伝的影響などは確率的影響であるため,予防のためのしきい線量は存在しない.リスクを容認できる範囲内で放射線量を制御することが必要となる.

4.3 新しいインターベンション治療における 問題点

近年,多くの施設でハイブリッド手術室が普及してきている.カテーテル血管内治療と外科的治療の同時施行が可能であり,循環器領域では大動脈ステントグラフト内挿術,経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)などで使用されている.

一般的に血管撮影用Cアームは天井走行式と床置き式がある.天井走行式Cアームは,天井にCアームを移動させ

るレールが存在するため,設置できるシーリングアームの場所に制限がある.また,手術室では室内の清浄度を保つためhigh efficiency particulate air(HEPA)フィルタを天井面に設置する必要があり,レールとの干渉具合を加味してその設置位置を検討しなければならない.さらに,手術室では無影灯が必須となるため,場所の制限と無影灯の優先とにより,天吊りの防護板を適正な位置に設置できない施設が多いと思われる.

加えて,ハイブリッド手術では術者の立ち位置がさまざまであり,天吊り防護板では全ての位置をカバーしきれないことがありうる.手術用寝台も製品の仕様上,下方からの散乱線による被ばく防護のための鉛カーテンラバーシールドをテーブルから垂らすことができないことが多い.この場合,自立式の床置き防護板で対処することが重要である.床置き防護板ではケーブル類も全て装置内や床下に収納することにより,天井面をフリーにできる.これにより, HEPAフィルタやシーリングアームを配置する位置を柔軟に選べるので,天吊りの防護板を適正な位置に設置できることが多い.自施設にハイブリッド手術室がある場合は,その特性を十分に理解して放射線防護に努める必要がある.

図25 心血管インターベンションにおける放射線照射野の絞りと被ばく線量

単位面積あたりの入射線量は変わらない

1.0 線量単位

X 線管X 線管

FPD FPD

0.75 線量単位0.75 線量単位

術者が受ける線量は照射野全開の線量を 1 として比較した(FPD サイズ 7.5 インチ).

照射野全開照射野制限

可動絞り器