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p.42 抽出テキスト

れに準じるが,核種の物理学的半減期が短いため,医療従事者を除けば患者周囲の者への被ばくが問題となることは少ない.

3.2.4 被ばくの危険性と患者への説明

a. 患者

被ばくのリスク(影響)には確定的影響(組織反応)と確率的影響(発癌,遺伝的影響)がある.PET検査の核種では半減期が短く,検査で用いられる投与量ではしきい値以下であるため,前者の影響は通常問題とならない.

考慮する必要があるのは確率的影響で,問題となるのは発癌や癌による死亡の危険性である.確率的影響で線量の増加に伴って上昇するのは,症状の重症度ではなく発生確率である.PET検査のレベルでの低線量被ばくにおいても,発癌の危険性はきわめて低いが0ではない.

ICRP Publication 103(2007年勧告)には,1 Svの被ばくにより確率的影響と関連する生涯死亡率が約5%上昇すると記載されている22).これ以下の低線量の被ばくのリスクを正確に求めることは困難で,便宜上,リスクと実効線量との間にしきい値のない直線的な関係があると仮定して見積もると,10 mSvの被ばくであれば0.05%の死亡率の上昇に相当する.しかしながら,被ばく線量が低下するにしたがって放射線障害に対する修復機序が良好にはたらくため,実際のリスクはこの直線近似よりも低いと考えられている.安全管理の上ではリスクを高めに厳しく見積もって直線近似としている.

患者や家族への検査の説明の際に必ずしも上記の詳細に言及する必要はないが,説明を行う者が上記の点を理解したうえで,検査により得られる利益が放射線被ばくによるリスクを上回っていることへの理解が得られるような説明を行う必要がある. b. 患者の家族,介護者

核医学検査では患者自身が線源となって周囲の人を被ばくさせる.被ばく線量は線源からの距離の2乗に反比例するため,患者と周囲の人との間に距離を置くことが重要となり,インフォームドコンセントの際にも言及しておきたい.放射線感受性が高い乳児や幼児が近距離で患者と接する際には注意が必要で,具体的には授乳や抱っこなどが相当する.前述のごとく, 18F-FDGの添付文書には「授乳婦に投与した場合,24時間授乳を中止し投与後12時間は乳幼児との密接な接触を避けるよう指導すること」と記載されている159). 3.3 Q&A

【Q 8】  心筋血流シンチグラフィと同日または翌日の心

臓カテーテル検査心筋バイアビリティの評価のため201Tl製剤や99mTc製剤を使用し,投与日やその翌日に心臓カテーテル検査を行う場合,患者の血液,カテーテル器具の放射性医薬品による汚染はどのように考えるべきでしょうか. A 核医学検査で患者に投与する放射性医薬品は少量なので,一般的には投与した日,またはその翌日に心臓カテーテル検査を実施しても,術者やその他のスタッフの被ばくに問題はない.ただし, 201Tlと99mTcの半減期はそれぞれ約73時間,6時間なので,検査には99mTc製剤が推奨される.

患者の血液にはごくわずかであっても,放射性医薬品が残っているため,心臓カテーテル検査に使用した注射針やカテーテルなどは汚染されている可能性がある.また,放射性医薬品は尿中に多く排泄されるため,患者の尿は血液以上に取り扱いに注意しなければならない.核医学検査を実施した患者の蓄尿バッグや使用済みのオムツも,カテーテルや注射針と同様の扱いをする必要がある.オムツなどの回収期間の目安は, 201Tl製剤は7日間, 99mTc製剤は投与日である163).一定期間の保管後,放射能汚染の程度が測定器で検出されないレベルであることを確認し,感染性廃棄物として廃棄する.

4 心臓と胸腹部・頚部血管の インターベンション

表31 心臓と胸腹部・頚部血管のカテーテルインターベン

ションにおける被ばく線量低減のための推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

医療従事者および患者外部被ばく線量低減の3 原則(時間・遮蔽・距離)を遵守する164). I A撮影のフレームレートを可能なかぎり15 f/s 以下とする19, 164). I B医療従事者防護板と放射線防護衣を使用する106, 165, 166). I B