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p.39 抽出テキスト

が下がると考えられる.少なくともアンガー型装置では201Tl製剤の使用は推奨されない. 5  stress-only imagingを利用する

前述のとおり,stress-only imagingでは安静時の撮像を省略できることがあるので,大幅な被ばく線量低減を期待できる. 6  技術的な手法を用いて線量を低減する

INCAPS研究では4つの技術的な手法が提示され,a) 吸収補正,b) 複数の姿勢(腹臥位など)で撮像,c) ソフトウェア補正,d) 工学的改良の4つのうち1つ以上を用いることを推奨している.

JSNCでは,以下の4つの技術的手法の利用を提示している.e) 収集時間を長くする,f) 工学的改良(半導体装置など),g) 複数の姿勢(腹臥位など)で撮像,h) ソフトウェア補正(開口補正など).このうち,eは最も一般的な技術的手法であるが,装置性能の向上により,投与量を低減しても収集時間の負担が少ない程度の時間の延長で画質を確保できるようになっている.fは感度を上げる方法であり,特に201Tl製剤を使用する場合は半導体装置による工学的改良の導入を強く推奨している. 7  体重に合わせて投与量を最適化する

わが国ではシリンジ製剤を利用していることが多く,投与量を個別に調整することが難しいが,被ばく線量低減の観点からは体重の重い被検者の場合と同量の製剤を体重の軽い被検者に投与する理由はない.JSNCでは体重50 kg以下では投与量を減量することを推奨している.また,小児についても日本核医学会が公表している投与量テーブルを利用することを推奨している150). 8  shine-throughを避けるように負荷・安静の投与量を調

整する「shine-through」とは,1回目の検査(負荷先行プロトコルでは負荷,安静先行プロトコルでは安静)で投与されたアイソトープのカウントが2回目の検査の画像に重なることによって,画像に影響を与えてしまう現象である. 99mTc製剤1日法の場合,2回目の投与量を1回目の3倍以上にすることを推奨している.シリンジ製剤を主に用いているわが国の場合,370 MBqと740 MBqのシリンジ製剤を9時に1:3に再配分したものを利用すると,実投与量はわずかながら減少し,画質改善だけでなく被ばく線量低減も達成できることから,shine-throughを避けるために投与量の比率を1:3以上に調整することが望ましいと考えられる. 3.2 PET検査

3.2.1 デリバリ製剤

現時点では18F-FDGのみがデリバリで供給されている.薬剤の添付文書に記載されている患者の臓器別の吸収線量を表25に示す82).

各臓器の吸収線量から求めた確率的影響の指標である実効線量を表26に示す81).成人に対し200 MBq投与の場合には実効線量は3.8 mSvとなる.実効線量と確率的影響(発癌など)との関連については「3.2.4被ばくの危険性と患者への説明」を参照されたい.「Japan DRLs 2020」に記載された18F-FDGのDRLを表27に示す30).この値は,多施設において成人の被検者に対し所定の条件の下で行われた検査で用いられた投与量の75パーセンタイルを示したものである.投与量がこの値よりも多い場合には,投与量が最も多い方から1/4の施設に含まれることになり,投与量の低減を考慮すべき目安となる.

表26に示したように,被検者の年齢に依存して実効線量が大きく異なり,PET/CT検査のCT撮影による被ばくも加わるため,小児・若年者に検査を行う場合には配慮が必要となる.日本核医学会の「小児核医学検査適正施行のコンセンサスガイドライン」の第1部「小児核医学検査の適正投与量」に記載されている放射性医薬品のクラス分類と,各クラスの体重別係数を基に計算した体重と標準的な投与量を表28に示す60).あくまでも小児における目安としての標準的な投与量であり,状況に応じて適宜増減を加える必要がある.日本核医学会の「全身PET撮像のための標準的

表25 18F-FDG の臓器別の吸収線量

臓器吸収線量(mGy/MBq)臓器吸収線量(mGy/MBq)副腎膀胱骨表面脳乳房胆嚢胃小腸大腸心臓腎肝肺0.012 0.13 0.011 0.038 0.0088 0.013 0.011 0.012 0.013 0.067 0.017 0.021 0.020筋肉食道卵巣膵臓赤色骨髄皮膚脾臓精巣胸腺甲状腺子宮その他0.010 0.012 0.014 0.013 0.011 0.0078 0.011 0.011 0.012 0.010 0.018 0.012実効線量係数0.019 mSv/MBq (ICRP. 2008 82) より作表)