p.37 抽出テキスト
型装置と,近年使用されている半導体装置がある.半導体装置ではガンマ線に対する感度がアンガー型装置よりも高いことから,低投与量でも通常のアンガー型装置と同等またはそれ以上の画質が得られる.したがってJSNCでは,特に201Tl製剤を使用する場合は半導体装置の使用を含む工学的改良の導入を強く推奨している150). 201Tlは99mTcに比べて半減期が約12倍であるため,単位放射能あたりの被ばく線量がおよそ15~18倍となる. 99mTc製剤の標準投与量を1110 MBqとした場合, 201Tl製剤で被ばくを同等に抑えるための投与量は70 MBq以下となり,通常のパラレルホールコリメータを使用したアンガー型装置ではカウントと画質が低下する.そのため, 99mTc製 剤の利用が推奨されるが,半導体装置では201Tl製剤を使用しても,後述するプロトコルの工夫により被ばく線量を抑えた撮像が可能である. 3.1.3検査プロトコルa. 201Tl製剤による負荷先行プロトコル 70歳以下では201Tl製剤による検査を避け99mTc製剤を使用することがINCAPS研究151)により推奨されているが,半導体装置では低放射能量の201Tl製剤を用いたプロトコルの一例として, 201Tl製剤1.0 MBq/kg(運動負荷),0.6 MBq/kg(アデノシン負荷)で,負荷10分,後期像20分収集を行い,十分な画質が得られている152).この投与量では運動負荷で体重64 kgまで,アデノシン負荷で体重107 kgまでは1検査あたり9 mSvの被ばくで検査を行うことができる. 70歳以下では201Tl製剤と99mTc製剤による2核種検査を避けることがINCAPS研究により推奨されているが,前述の被ばく線量低減の観点から,高齢者以外でアンガー型装 表22 核種ごとの単位放射能あたりの実効線量係数 201TlCl 99mTc- テトロホスミン99mTc-MIBI 運動安静運動安静 成人の実効線量係数(mSv/MBq) 0.14 0.0069 0.0080 0.0079 0.0090再分配あり静注時点での実投与量(MBq)投与あたりの被ばく量(mSv) 1検査あたりの被ばく量(mSv) 111 15.54 15.54 350 702 2.415 5.616 8.031 350 670 2.765 6.021 8.786再分配なし静注時点での実投与量(MBq)投与あたりの被ばく量(mSv) 1検査あたりの被ばく量(mSv) 418 660 2.884 5.28 8.164 366 660 2.891 5.940 8.831日本心臓核医学会ワーキンググループ報告による.99mTc製剤の投与量は,テトロホスミンでは296/740 MBq,MIBIでは259/740 MBqシリンジを使用し,9時の時点でテトロホスミンは350/1115 MBq,MIBIは350/1062 MBqに再分配したもの(上段)と,再分配せずに実測したもの(下段)を,それぞれ9時と13時に投与したと想定した実投与量の概算値を示す. (片渕哲朗ほか. 2019 150) より改変) 表23 201Tl 製剤,99mTc 製剤の年齢ごとの実効線量係数 成人15 歳10 歳5 歳1 歳 201TlCl 99mTc-テトロホスミン(運動) 99mTc-テトロホスミン(安静) 99mTc-MIBI(運動) 99mTc-MIBI(安静) 0.14 0.0069 0.0080 0.0079 0.0090 0.2 0.0088 0.01 0.01 0.012 0.56 0.013 0.015 0.016 0.018 0.79 0.021 0.024 0.023 0.028 1.3 0.039 0.046 0.045 0.053単位:mSv/MBq (片渕哲朗ほか. 2019 150) より) 表24 123 I 製剤の実効線量係数 123I BMIPP 123I MIBG 実効線量係数(mSv/MBq)投与量(MBq)投与あたり被ばく線量(mSv) 0.016 111 1.776 0.013 111 1.443 BMIPP: ICRP Pub. 128による.MIBG: ICRP Pub. 80による. (片渕哲朗ほか. 2019 150) より)