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p.36 抽出テキスト

画像においては本来の特性を表していない危険性がある.したがって,逐次近似再構成処理を適用する場合には,診断に必要な画質が得られているかどうかを視覚評価により必ず確認するべきである.【Q 5】 CT検査とインターベンションの違い

通常のCT検査では放射線皮膚障害が生じないのに,血管撮影装置を用いたインターベンションの際には放射線皮膚障害が問題となることがあるのは,なぜですか. A CT装置ではX線管を患者の体軸を中心に回転させながら照射するため,X線の入射部位は分散している.一方,血管撮影装置ではX線管をある方向に固定した状態で照射を行うことが多く,照射されたX線の多くは特定の皮膚面から入射する.また,血管撮影装置ではCT装置と比較してX線管の電圧が低いため,X線の透過性が低く,入射皮膚面付近で相対的に多く吸収される.したがって,血管撮影装置では入射面の皮膚に限局して多くのX線が吸収されるため,放射線皮膚障害が生じうる.【Q 6】 実効線量による発癌リスク評価

実効線量をもとに患者の発癌リスクを評価するのは不適切であると聞きましたが,なぜですか. A ICRPは特定の個人の被ばくのリスクに関する後ろ向きの評価や人体被ばくの疫学評価のために,実効線量を用いるべきではないとしている24).そもそも,実効線量の計算に用いられている組織加重係数は作業者や一般人の集団における確率的影響を評価する目的で定められているが,実際には臓器・組織の放射線感受性は年齢や性別に依存する.したがって,性別や年齢がさまざまな患者の集団や個人にこの組織加重係数を適用することは不適切と考えられる.患者のリスク評価には,個々の臓器線量を算出し,患者の年齢と性別を加味した臓器ごとのリスク係数を適用する必要がある22).【Q 7】 繰り返す頻回のCT検査での注意点

冠動脈疾患の診断・治療や,胸部・腹部大動脈瘤の経過観察の手段として,CT検査を行うことが増えていますが,CT検査を繰り返し頻回に行う際にはどのようなことに注意すべきでしょうか. A CT検査を繰り返し頻回に行うと積算線量が増加するため,検査の間隔を含めて適応を十分に検討し,安心のための安易な検査は慎まなければならない.真に検査対象となる疾患によっては,経過観察時に撮影範囲,撮影回数(単純CT撮影やダイナミックスタディを行うかどうか),管電流量などを減らして線量低減を行っても,臨床的に必要な情報が十分に得られる可能性があることにも留意すべきである. 3 核医学検査

表21 SPECT 検査における被ばく線量低減のための推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

医療従事者被ばく線量低減の3 原則(時間・遮蔽・距離)を遵守する. I A患者アンガー型カメラでは99mTc 製剤を用いる150, 151). I B工学的改良を活用する(吸収補正,腹臥位撮像,ソフトウェア補正,半導体SPECT 装置)150). I B患者の体重に合わせて投与量を最適化する152). I C

3.1 SPECT検査

3.1.1 核種

SPECT検査に使用される核種には201Tl製剤(塩化タリウム:TlCl), 99mTc製剤(テトロホスミン,MIBI), 123I製剤(BMIPP,MIBG)があり,これらの使用による被ばく線量の計算はICRP Publicationに基づいて計算されている. 201Tl製剤の実効線量係数が,ICRP Publication 80 (1998年)では0.22 mSv/MBq,Publication 53 Addendum 5(2001年)では0.17 mSv/MBqと改訂ごとに低くなる傾向があるが,日本心臓核医学会(JSNC)ワーキンググループでは被ばく線量の計算においてPublication 106(2008年)およびPublication 128(2014年)に記載されている0.14 mSv/MBqを採用している150).

核種ごとの単位放射能あたりの実効線量係数については表22, 201Tl製剤, 99mTc製剤の年齢ごとの実効線量係数については表23, 123I製剤の実効線量係数については表24に示すとおりである150). 201Tl製剤と99mTc製剤のいずれによる被ばくについても,成人と比較して低年齢であるほど実効線量係数が増加する点に留意すべきである.

3.1.2 撮像装置

SPECT検査に使用される撮像装置には従来のアンガー