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ることが望まれる. 心臓CT検査においてさらに被ばく線量を低減する方法として,前向き心電図同期ノンヘリカルスキャン法や,高いヘリカルピッチを使用した前向き心電図同期ヘリカルスキャン法などがある.これらの手法は通常の心電図同期ヘリカルスキャンと比べると被ばく線量を大幅に低減できるが,高心拍症例や不整脈症例では診断に必要な画質を得られない可能性が高く,65/min未満の安定した低心拍の患者への,またはβ 遮断薬を投与したうえでの限定的な使用に留めるのが望ましい130–132). 2.2.3 低管電圧撮影,逐次近似再構成処理 その他にも,低管電圧撮影や逐次近似再構成処理を用いることによって,被ばく線量を低減できる可能性がある.患者の体格に応じて低管電圧を適用することは,被ばく線量低減に有効であるが,冠動脈が石灰化した症例ではブルーミングアーチファクトが増加するとの報告がある138).また,画像コントラストを変化させるとともに,画像ノイズの増加にもつながる可能性があることから,その適用は慎重に行われるべきである. CT撮影時に撮影線量を低減させることにより画像ノイズが増加した場合でも,逐次近似再構成処理でノイズを低減させることによって,結果的に撮影線量の低減前と同等の画像ノイズレベルを維持しながら被ばく線量を低減することが可能である133–135).しかし,逐次近似再構成処理により得られる画像のノイズの周波数特性は処理の種類により異なり,特に処理の強度を上げた場合に視覚的な違和感が生じることも知られている.したがって,逐次近似再構成処理を適用する場合には,視覚評価により診断に必要な画質が得られているかどうかを必ず確認するとともに,処理強度の最適化を行うべきである(Q&A参照). 2.3 被ばくの危険性 被ばくに関する危険性を考える際には,線量の把握が重要となる.CT検査においてはCDTIvolやDLPを基に線量を評価する.CT検査での被ばく線量がどの程度であるかは使用する装置により異なり,同じ装置でも撮影回数やヘリカルピッチ,電流量などのパラメータ設定により異なる136).したがって,各装置においてプロトコルごとに標準的な線量を把握しておくことが重要である.なお,現在行われている体幹部のCT検査のほとんどにおいては自動照射制御が用いられているため,同一のプロトコルにおいても患者の体格により被ばく線量は大きく異なる.したがって,個々の患者に対してCT検査における被ばく線量を事前に正確に把握することは困難であるが, 1回の検査にお ける臓器・組織線量はおおむね数十mGy以下,実効線量は数十mSv以下とされている. CT検査による人体への放射線の影響も確定的影響(組織反応)と確率的影響に分けて考えるべきである.確定的影響はしきい線量を超えた場合に生じる障害であり,1回の通常CT検査で臓器・組織線量がしきい線量を超えることは考えにくい.ただし,胎児の奇形などに関するしきい線量は100 mGyと低いため,妊婦の骨盤部を複数回撮影した場合にはしきい線量を超える可能性がある.また,眼の水晶体のしきい線量が近年500 mGyに引き下げられ,心臓や脳に対しても同様のしきい線量が提唱されたため26),これらの組織・臓器を撮影範囲に含む複数回のCT検査においては,確定的影響が発生する可能性を考慮して十分に配慮する必要がある. 画像診断検査などの低レベルの放射線により癌を発症するリスクは明確にされていない.若年者に対するCT検査後に発癌が有意に増加しているという報告も近年散見される139–141).一方で,CT検査が行われた背景には何らかの異常が存在しており,その異常が癌の発生に関係しているだけで,CT検査が発癌を誘発したとは必ずしもいえないという意見もある141, 142).いずれにせよ,1回のCT検査による医療被ばくの実効線量は通常100 mSv未満であり,個人に確率的影響が生じるリスクは決して大きくないが,多数例の集団としてみると発癌という影響は無視できない. 2.4 患者への説明 2020年4月,医療法施行規則改正に際して厚生労働省により作成された「診療用放射線の安全利用のための指針策定に関するガイドライン」143)によると,「放射線診療を受ける者に対する説明行為は,当該診療を受ける者に対する診療の実施を指示した主治医又は主治の歯科医師が責任を持って対応する」,「リスク・ベネフィットを考慮した検査・治療の必要性(正当化に関する事項)」を踏まえた説明を検査前に行う,と記載されている.すなわち心血管領域のCT検査を指示する主治医には,本検査における被ばくのデメリットを踏まえて,他の検査法と比較して本検査における正当性を検討したうえで,それを患者に説明する義務が求められる. CT検査においてもインフォームドコンセントを得る必要があり,CT検査における被ばくについて,患者の不安や関心,理解力に応じて説明を行わなければならない144, 145).前述のとおり,厚生労働省のガイドラインでは,検査の実施を指示した主治医または主治の歯科医師が責任をもって