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p.30 抽出テキスト

防護を行う必要がある.図19 のようなセパレート型の防護衣を着用したうえで,鉛当量 0.25 mmの巻きスカート型の防護衣を使用すると,前面は 2 枚重なるため 0.5 mm,側面は 0.25 mmとなり,周囲からの被ばくを低減できる(図20).前面で正確に重ねることが重要で,妊娠期間を通じて防護衣が体形にフィットしていることを確認する.必要に応じて大きなサイズの防護衣,腹部に合わせた妊婦用の防護衣,または腹部周囲にエプロン型の防護衣を追加して着用してもよい.ただし,防護衣が重くなると腰痛や筋骨格系の問題が生じやすいので,注意が必要である.

4.5 放射線安全管理

女性医療従事者が妊娠した場合,直ちに管理者に報告する必要がある.法令では妊娠の期間中(妊娠と診断されてから出産までの期間)の腹部表面における等価線量の線量限度は2 mSvと規定されている.また,腹部表面における等価線量について,1ヵ月ごと,および全妊娠期間中の合計線量を記録することが義務づけられている.胎児については,妊娠期間中に受ける吸収線量を1 mSv以内とする必要がある.

法令では妊娠した医療従事者の被ばく状況を十分に把握し管理することを規定している.しかし,放射線や放射性物質を使用する作業を完全に避けることや,放射線区域への立ち入りやその場所での作業を禁止するものではない.現在のエビデンスに基づけば,適切な放射線防護が行われ線量限度が遵守されているという条件下では,妊娠中の医療従事者の胎児に対する遺伝的または発達上のリスクはきわめて低い119).管理者および当事者は,これらの条件

を十分に把握し,日常業務にあたることが重要である.いずれにしても,女性医療従事者は妊娠が判明した時点で管理者と十分な話し合いを行い,妊娠中も安心して業務を継続できるようにする必要がある.

図19 セパレート型放射線防護衣

図20 巻きスカート型放射線防護衣

表17 胎児被ばくによる主な先天性異常の発生時期

着床前器官形成期胎児期

妊娠期間0~9日2~8週8~15週15~25週25週~堕胎奇形発育遅滞精神遅滞新生物遺伝的影響+++

- - - - - + +++

+ - + - - - + +++

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(Kusama T, et al. 2002 118) より) John Wiley & Sons. ©Japanese Teratology Society

表18 胎児における放射線の確定的影響のしきい線量

確定的影響しきい線量(mGy)致死性著しい奇形精神遅滞100< 100~200 120 (Kusama T, et al. 2002 118) より) John Wiley & Sons. ©Japanese Teratology Society