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量低減のために防護衣と防護眼鏡の着用が有効である71, 72).その際には不均等被ばくとなるため,防護衣の内側の胸部(男性,または妊娠する可能性がないと診断された女性)または腹部(その他の女性)に1ヵ所と,防護衣の外側の頚部に1ヵ所の,計2ヵ所に個人線量計を取り付ける必要がある.特に,CT撮影時に検査室にとどまることが多い従事者は,防護眼鏡を装着するとともに,水晶体専用の線量計を防護眼鏡の内側に装着することが推奨される. 検査室内の散乱線量分布を把握しておくことも被ばく線量低減のために有効である71, 72).図16に検査室内の散乱線量分布の一例を示す. b. 造影剤投与時の観察に伴う被ばく 造影剤を静脈投与する場合には,循環する速度に個人差が生じるが,それを考慮し,個々の患者に合わせたタイミングで撮影するために,ボーラストラッキング法(指定したスライス断面で動脈への造影剤の流入をリアルタイムで観察し,目的の濃度に達した時点で撮影を開始する方法) 74)やテストボーラス法(本番の撮影を行う前に試験的に造影剤を注入し,最適の撮影開始タイミングを調べる方法) 75)が用いられる.これらの方法では造影剤注入開始後,比較的早いタイミングでX線照射が開始されるため,患者の横で血管外漏出を確認する従事者は被ばくすることとなり,造影検査の頻度が高い施設ではこれらの手法を適用する頻度も高いことから,被ばく線量低減策を講じる必要がある.特に心臓CTでは,1画像あたりに寄与する投影データの時間的な感度分布である時間分解能を向上させるために,速いX線管回転速度と高い管電流による照射が行われることから,患者の横にいる従事者の被ばく線量も他のCT検査より高くなる可能性がある. 具体的な被ばく線量低減策としては,防護衣や防護眼鏡を着用することに加えて,検査室内に透明タイプの防護衝立などを設置しておくことも有効である.防護衝立による 散乱線の遮蔽能力は防護衣や防護眼鏡よりも高く,防護衝立の後ろ側で血管外漏出の確認を行うことによって,その従事者の被ばく線量を大幅に低減することが可能である.また,造影剤投与終了後はすみやかに検査室外に退避し,必要以上に検査室にとどまらないことも重要である. c. CT透視ガイド下の手技 CT透視ガイド下手技における従事者被ばく管理は,基本的に血管撮影室における従事者被ばく管理に準じて行うが,それに加えて,CT透視ガイド下手技の際には通常のX線透視よりもX線出力が高く,かつ従事者の手指が直接被ばくすることも多いため,照射野に入る可能性のある手指に手指用被ばく線量計を着用して手技を行うことが望ましい.被ばく線量低減のためには,できるだけ手指が照射野内に入らないように工夫することが必要であり,さらにCT透視ガイド下穿刺用の補助器具(ニードルガイドなど)や放射線防護用掛布などの使用も有効である73). 2.2.3 核医学検査室 表12 核医学検査室における医療従事者の被ばく線量管理 に関する推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル PET 用薬剤の投与に自動分注投与装置の使用を考慮する46). IIa C複数の従事者で対応して,患者と接する時間を減らすことを考慮する44, 47). IIa C放射線防護衣または放射線防護衝立の利用を考慮する47, 53). IIa C a. 心臓核医学検査の普及 心臓疾患に対する心臓核医学検査は,診断,重症度評価,治療方針の決定や予後評価に広く用いられている.また,心臓核医学検査の有用性とエビデンスレベルについては,2003年にAHA/ACC/ASNCからガイドラインが発表されているが76),わが国においてもこれまでの数多くの報告を基に,心臓疾患に対する心臓核医学検査の有効かつ効率的な使用を提案することを目的に,「心臓核医学検査ガイドライン」が発表されている77). 現在,わが国における心臓核医学検査は,SPECT検査とPET検査を含め,核医学検査の主流を占めている. 201Tlによる心筋血流シンチグラフィは1970年代より今日まで虚血,梗塞の存在診断,部位診断,重症度評価,残存心筋の判定,血行再建の適応決定,治療効果判定,予後予測 など,冠動脈疾患に対して幅広い臨床応用の報告がなされ図16 CT 検査室内の散乱線量分布の例 H*(10)(mSv) 29.2 25.6 21.9 18.3 14.6 11.0 7.3 3.7 0.0 寝台 ガントリ