p.22 抽出テキスト
なっている.水晶体の線量限度が引き下げられた要因は, ICRP Publication 118(2012年) 26)にて,水晶体はこれまで考えられていたより放射線感受性が高く,放射線白内障はより低い線量でも発症する可能性があるとし,放射線白内障の発症のしきい値を5 Gyから0.5 Gyに大幅に下げたことである.循環器領域のIVRを行う医師の場合,放射線防護眼鏡を着用しても線量限度を超えることがあり,天吊り防護板,防護衝立,寝台鉛カーテン(図14)を正しく使いこなして,水晶体の被ばく線量を低減する工夫が必要である(図15) 19, 27, 67–69). 図14 放射線防護具A:防護眼鏡,0.07 mm 鉛当量, 42 g(東レ・メディカル株式会社 提供) B:寝台鉛カーテンと鉛アクリルシールド A B 寝台鉛カーテン寝台鉛カーテン 鉛アクリルシールド鉛アクリルシールド 図15 防護板の散乱線防護効果(血管撮影室の空間散乱線分布図)天吊り防護板天吊り防護板 表10 医療従事者の放射線量限度 適 用線量限度(職業被ばく)実効線量決められた5年間の平均が1年あたり20 mSv(任意の1年に50 mSvを超えない)年等価線量眼の水晶体 皮膚手先および足先決められた5年間の平均が1年あたり20 mSv(任意の1年に50 mSvを超えない) 500 mSv/年500 mSv/年(労働省. 1972 65), 厚生労働省. 2020 66) より作表) 2.2.2 CT検査室 表11 CT 検査室における医療従事者の被ばく線量管理に 関する推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 従事者がCT 撮影時に検査室にとどまる場合には防護眼鏡を着用する70). I C従事者がCT 撮影時に検査室にとどまる場合には防護衣の着用を考慮する70–72). IIa C CT 透視ガイド下穿刺の際にはニードルガイドなどの補助器具や放射線防護用掛布などの使用を考慮する73). IIa B a. 個人線量計の装着 CT撮影の際には基本的に放射線業務従事者は操作室側に退避するため,被ばくが問題になることは少ないが,検査室の隔壁などによって散乱線を完全に遮蔽できるわけではないため,業務に従事する際には必ず個人線量計を着用しなければならない.また,小児や意識レベルの低い患者の抑制,あるいは造影剤注入時の血管外漏出の確認などの目的でCT撮影時に検査室にとどまる場合には,被ばく線