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p.21 抽出テキスト

検定日時における放射能量が放射性医薬品基準によって定められているため,物理学的な半減期による補正から実投与量を求めることが実際的であり,全量投与した場合は残量測定を行わずに誤差範囲として扱ってよいと考える29, 58).また,院内製造の放射性医薬品においては,ドーズキャリブレータで測定後に投与,または自動分注投与装置を用いた投与を行っており,この場合は測定値を実投与量として用いる.なお,企業の線量管理システムの中には,核医学検査装置などから出力されるRadiopharmaceutical Radiation Structured Report(RRDSR)やDigital Imaging and Communications in Medicine(DICOM)画像から,投与薬剤名と実投与量の情報を自動的に取得・記録し,臓器吸収線量や実効線量を計算するシステムもある.

PET/CT検査やSPECT/CT検査において,CT撮影における線量記録はCTDIvolやDLPを用いるが,診断時のCT検査とは違って検査目的(減弱補正用,融合画像用など)により撮影条件が異なるため,目的別にCTDIvol,DLPなどを記録する必要がある59).なお,線量管理システムによりCT撮影における実効線量計測機能と組み合わせることで,投与量の情報も含め患者の被ばく線量を総合的に管理することも可能である.

なお,小児については「小児核医学検査適正施行のコンセンサスガイドライン」と比較する必要がある60).

線量管理については,自施設の標準的な患者での実投与量を20~30例以上集め,その中央値とDRLを比較することにより,投与量の最適化に努める.また,PET/CT検査,SPECT/CT検査などでは組み合わせる2 つのモダリティのDRLを個別に設定して提示することが適切である23).各種ガイドラインなどを参考に,画質も十分考慮した上で,自施設の核医学検査の撮像プロトコルの管理を行い,最適化を進めることが重要である. c. 機器の保守点検と管理体制

核医学撮像装置は医療法施行規則などにより,医療機器としての保守点検を適正に実施することが義務付けられている.

2006年6月21日付けで公布された「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律」により,医療法の一部が改正され,各医療施設において医療機器に関わる安全管理の体制を確保することが必要となった.本改正では特定保守管理医療機器として,PET装置,SPECT装置など核医学装置が規定された.また, 2018年6月12日付けで「医療機器に係る安全管理のための体制確保に係る運用上の留意点について」が公布され,保守点検計画を策定すべき医療機器にCT 装置や MRI 装置が追加された.特定保守管理医療機器は保守点検,修理その他の管理

に専門的な知識と技能を必要とすることから,適正な管理が行われなければならない.日本画像医療システム工業会が策定した規格には,日常診断に使用されている核医学診断装置やその付属装置・機器の性能や安全性の保守点検基準について規定されている61–64).

2.2 医療従事者の職業被ばく

2.2.1 血管撮影室

表9血管撮影室における医療従事者の被ばく線量管理に関する推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

不均等被ばく管理を行う19, 65). I A

放射線防護衣を着用する19). I A

放射線防護眼鏡を着用する19). I A天吊り防護板,防護衝立,寝台鉛カーテンなどの防護具を用いる19). I A

甲状腺防護具の着用を考慮する19). IIa B

均等被ばく管理は推奨されない19, 65). III No benefit C a. 個人線量計の装着

血管撮影室で防護衣を着用して業務にあたるスタッフは,「電離放射線障害防止規則」65)の第8条第3項において,不均等被ばく管理の対象とされている.この場合,防護エプロンの内側に個人線量計を1個(男性は胸部,女性は腹部〔妊娠の可能性がなく職場に届け出ている場合は胸部〕),加えて体幹部で最も多く放射線にさらされるおそれのある部位(通常は頭頚部),さらに末端部が最も多く放射線にさらされるおそれがある場合は末端部(IVR手技においては手指25))に個人線量計を1個装着する.ただし,末端部の被ばく線量が体幹部の被ばく線量を下回る場合は,末端部での個人線量計は不要である.まとめると,不均等被ばく管理には,胸部(腹部)+頭頚部,または胸部(腹部)+末端部,または胸部(腹部)+頭頚部+末端部の3とおりの装着部位が考えられ,個人線量計は2個以上必要となる. b. 水晶体の線量限度

現在わが国では眼の水晶体の線量限度に関する法令が改正され,医療従事者の線量限度は表10 65, 66)のように