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p.20 抽出テキスト

ことが規定されている49).CTDIvolが増加するほど患者の部位当たりの被ばく線量は増加するが,CTDIvolが一定であったとしても,スキャン範囲が広ければそれだけ患者の総被ばく線量は増加することになるため,DLPはスキャン範囲による影響を加味した指標ということができる.

DLPもCTDIvolと同様に患者の被ばく線量を直接表す値ではないが45),ICRP Publication 102(2007年) 55)には, DLPから実効線量を推定するための換算係数が提示されている.実効線量とは,放射線による全身の被ばく量を表すために用いられる値であるが,全身に均等に被ばくした場合を前提としているため,CTのような局所被ばくの場合には被検者の被ばく線量を適切に評価できない可能性があることが指摘されており56),その利用には注意が必要である.

患者の臓器・組織の吸収線量や実効線量を簡便に計算・推定するための手法として,線量計算ソフトウェアを用いる方法がある.これらは特定のCT装置と特定のスキャンパラメータにおける臓器・組織の吸収線量の基本データセットをあらかじめもっており,これに計算したいCT装置やスキャンパラメータを入力することで補正を行い,臓器・組織吸収線量や実効線量などを表示させるという仕組みになっている. d. 線量管理・線量記録の具体的方法

2019年3月の医療法施行規則の改正に伴い,2020年4月より「管理・記録対象医療機器等を用いた診療にあたっては,当該診療を受ける者の医療被ばくによる線量を記録すること」が義務化されており,全身用X線CT診断装置を用いた検査も線量管理・線量記録の対象に含まれている.

CT検査による患者の線量管理の具体的手法として, DRLに基づく線量の最適化が挙げられる.CTのDRLはCTDIvolおよびDLPで設定されていることから,それぞれの検査におけるCTDIvolおよびDLPを記録し管理することが,現段階では最も有効な手段である.これらの値は装置から出力される放射線線量構造化レポート(RDSR)にも含まれるため,記録・収集しやすいという利点がある.

DRLとの比較を定期的に行うためには,自施設における線量調査を定期的に行うことが望まれる.線量調査の際には,検査プロトコル単位で標準体格の患者のデータをそれぞれ30例ずつ集めることが望ましいとされている23).線量調査は前向きに行っても後ろ向きに行ってもよいが,後者の場合は線量情報管理システムを活用すれば簡便に実施することが可能であり,この場合は30例という数字にこだわらず,調査対象期間の全例を対象とすればよい.

また,一部の線量情報管理システムでは,検査単位で患者の臓器線量,実効線量を算出することも可能で,患者単位での線量管理も容易に行える.また,施設内にCT被ば

く線量および撮影プロトコルなどを管理するチームを作ることによって,その調査・解析結果を活用した最適化を推し進めることが可能となる.

2.1.3 核医学検査室

表8核医学検査室における患者の被ばく線量管理に関する推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

実投与量による線量管理を行う29, 57, 58). I B PET/CT 検査およびSPECT/CT 検査のCT 撮影においてはボリュームCTDIw (CTDIvol)または線量- 長さ積(DLP)による線量管理を行う29, 57–59). I B

患者の被ばく線量管理を考慮する23). IIa B

a. 規則改正への対応

2019年3月に「医療法施行規則の一部を改正する省令」が公布され,その後に発出された「医療法施行規則の一部を改正する省令の施行等について」(厚生労働省医政局長通知) 40)では,X線装置などを有する医療機関の管理者は診療放射線利用の安全管理の責任者を配置し,その責任者は安全利用の指針を策定する必要があることが示された.診療用放射線の安全利用を目的とした改善のための方策として,核医学領域においては,2020年4月1日より「X線CT組合せ型ポジトロンCT装置」,「X線CT組合せ型SPECT装置」,「陽電子断層撮影診療用放射性同位元素」,「診療用放射性同位元素」について,被ばく線量を適正に管理・記録することになった.

これまで核医学領域において具体的な管理方法などは示されておらず,各施設においても対応に苦慮している状況であったが,2020年3月,「核医学分野における診療用放射線の安全利用のための指針策定のガイドライン」57)が公表され,今後はこれを参考に進めていく必要がある.しかし,すでに各施設では自施設の運用に沿った形で独自に被ばく線量管理を進めているのが現状である. b. 線量の記録と管理

核医学領域における被ばく線量記録は,放射性医薬品およびPET/CT装置とSPECT/CT装置におけるCT撮影線量が対象となる.

放射性医薬品は放射性医薬品名,投与時刻,実投与量を記録するが,取り扱いが簡便なことから国内では標識ずみの製剤を使用する医療機関が多い.標識ずみの製剤は