p.19 抽出テキスト
少なくとも半年に1 度,CTDIw(重み付けCTDI100)またはCTDIfree air(自由空気中CTDI)による線量測定を行う44). I B size-specific dose estimates による線量管理を考慮する46–48). IIa B a. 標準的指標としてのCTDI CT検査での線量評価において標準的手法となっているのは,CT用電離箱線量計とアクリル(PMMA)樹脂製円筒型ファントムを用いたCT線量指数(CTDI)の測定(図12)である43).アクリル樹脂製円筒型ファントムは,小児の頭部・体幹部用および成人の頭部用に直径160 mm,成人の体幹部用に直径320 mmのものが用いられる49). CTDIの測定の際には,一般的に10 cmの電離長を有するペンシル型CT用電離箱線量計を使用することから,実用的な値としてCTDI100 が用いられる.CTDI100 では, -50 ~ +50 mmの範囲の線量プロファイルの積分値を求めるという手法がとられる.CTDI100はCTDI測定用ファントムの中心部および周辺部の4ヵ所(ファントム辺縁より1 cm内側の12時方向,3時方向,6時方向,9時方向)で測定し,加重平均を行うことによって,平均線量(weighted CTDI: CTDIw)として取り扱われる50). さらに,ヘリカルスキャンの場合はCTDIwをヘリカルピッチで除することによって,アキシャルスキャンの場合はCTDIwに「公称スライス厚×スライス数/連続するスキャン間の寝台移動量」を乗じることによって,中心スキャン部分における平均線量(volume CTDI: CTDIvol)を表すことができる51–53).CTDIvolは,一連のスキャン開始前に制御盤上にmGy単位(AK)で表示されることが規定されているので49),検査開始前には表示されているCTDIvolを必ず確認すべきである.また,CT用電離箱線量計やアクリル樹脂製円筒型ファントムを有している施設では,表示されているCTDIvolと測定により得られたCTDIvolの両者を比較することによって,表示値の精度を定期的に確認することが望ましい. b. CTDIによる装置の定期点検 CT装置は「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)第2条第8項に規定されている,保守点検,修理その他の管理に専門的な知識および技能を必要とする「特定保守管理医療機器」に分類されており,その適正な動作を保証するためには,使用者による日常の保守点検(始業点検,終業点検)と定められた期間ごとの定期点検が必要である.この業務は,修理点検が可能なメーカーまたは有資格者に委託することが可能である.一般に業者による定期点検の項目は,装置付属の技術リファレンスマニュアルなどに従って行われるが,その内容の多くはCT装置の不変性試験44)に準拠している. CT装置の不変性試験では,線量はCTDIwまたはアクリル樹脂製円筒型ファントムを置かずに測定するCTDIfree air(図13)で評価することとされており,少なくとも半年に1回測定されなければならない. c. その他の評価指標 CTDIvolは患者が受ける吸収線量とは異なるものであるが54),CTDIvolから患者が受ける吸収線量を推定するための方法として,米国医学物理学会(AAPM)のReport No. 204 46)では,体幹部断面の長径および短径(またはそこか ら求めた実効直径)に対応した換算係数を乗じて求める方法が提唱されており(size-specific dose estimates: SSDE),また,臓器の種類によるX線の吸収率差を考慮した水等価直径に応じた換算係数も提示されている47).SSDEの計算方法は国際規格としてもまとめられており48),今後新たな線量指数として「CT装置の基礎安全及び基本性能に関する規格」への取り入れが行われ,CTDIvolと同様に一連の検査開始前に制御盤上に表示される見込みである. DLP(線量–長さ積)は「X線が照射された範囲におけるCTDIvolの積算値」と定義されており,CTDIvol同様,一連の検査の開始前に制御盤上にmGy・cm単位で表示される 図12 円筒形ファントムを用いたCT 線量指数(CTDI)の 測定図13 円筒形ファントムを用いないCT 線量指数(CTDIfree air) の測定