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p.14 抽出テキスト

加するが,100 mSv程度以下でも線量の増加により発生率が上昇すると仮定されている22).

1.3 放射線量とその単位

目に見えない放射線の人体への影響を客観的に評価するためには,放射線量の単位と影響評価のための単位の違いを理解する必要がある. 1.3.1 放射能(radioactivity)

放射性同位元素を用いる核医学検査で使用される単位である.放射能とは原子核内から放射線を放出する能力であり,1秒間に1個の原子核が壊変するときの放射能を,1ベクレル[Bq]とする.ベクレル[Bq]をSI単位系の基本単位で表すと[s –1]となる.

1.3.2 照射線量(exposure)

X線装置から発生するX線のエネルギー量である.空気に対する電離作用を利用し,発生した電子電荷量[クーロン:C]を基準とした量[C/kg]で定義されている.照射線量の旧単位としてレントゲン[R]がある.

1 C/kg = 33.97 Gy

1.3.3 吸収線量(absorbed dose)

放射線により物質が吸収する単位質量あたりのエネルギー量で,特別な単位としてグレイ[Gy]が用いられる.特に,空気中の吸収線量として「空気カーマ(AK)」[Gy]が用いられ,循環器用X線装置には基準点でのAKが表示される.また,吸収線量は各組織に吸収されたエネルギー量であることから組織吸収線量[Gy]と呼ばれ,等価線量や実効線量を算出する基本の線量であり,確定的影響を評価する際に用いられる.

1.3.4 等価線量(equivalent dose)

組織・臓器へ放射線によりどの程度の影響があるかを示した値である.「吸収線量」は組織・臓器に吸収された単位質量あたりのエネルギー量を表すが,同一の組織吸収線量であっても,放射線の種類(X線や中性子線など)により影響の度合いが異なるため,それを補正した線量である.単位はシーベルト[Sv]で,対象となる組織ごとに皮膚等価線量,水晶体等価線量などと呼ばれる.

法令では組織反応(確定的影響)の評価に等価線量を用いることが定められ,放射線業務従事者に対しては皮膚等価線量,水晶体等価線量,妊娠女性の腹部表面等価線量が用いられている.

1.3.5 実効線量(effective dose)

組織・臓器が受けた放射線の影響を人体全体への影響として表す指標である.組織・臓器ごとに受けた等価線量の単純な平均ではなく,組織・臓器ごとの放射線の感受性の違いで重み付けして評価した量であり,単位はシーベルト[Sv]を用いる.実効線量は発癌の誘発など全身での確率的影響の評価に用いられる.循環器領域での医療被ばく

図3放射線被ばく線量と確定的影響(組織反応)の発生率

しきい線量

発生率

線量(Gy)

図4放射線被ばく線量と確率的影響の発生率

発生率

線量(Gy)自然発生率

100 mSv

表5放射線による皮膚障害の現れ方

しきい線量(Gy)症 状発症までの時間

2 3 6 7 14 15 18 18 24早期一過性紅斑一過性脱毛主紅斑反応永久脱毛乾性落屑晩期紅斑湿性落屑虚血性皮膚壊死二次性潰瘍2~24時間3週以内1.5週以内3週以内4週以内8~10週4週以内10週以降6週以降

(ICRP. 2000 19) より改変)