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れた. DRLの役割として,ICRP Publication 105(2007年)では「特定の医療画像手法のための患者線量が(確率的影響に関して)著しく高いかあるいは低いかを評価する」とされ,「臨床的な目的には寄与しない患者への放射線量を回避する」と記載されている24).ICRP Publication 135(2017年)ではDRLについて詳細に記載されており,DRL決定には画質評価と線量評価の両者を考慮した最適化を達成する方法の実施が必要とされている23).わが国では2015年6月に医療被ばく研究情報ネットワーク(J-RIME)より,「最新の国内実態調査結果に基づく診断参考レベル」(DRLs 2015)が国内で初めて公表され29),改訂版(Japan DRLs 2020)が2020年に発表された30). DRL値は,一般的に線量分布の75パーセンタイル(第3四分位数)として設定され(図1) 23),線量限度や線量拘束値ではない.また,検査・治療における最適な線量値を示しているわけではなく,一般より高い線量を用いている施設を識別するために用いられ,DRL値より高い線量を用いている施設に対し線量低減の検討を促すための目安となる. 2.7 線量限度 線量限度は職業被ばくを受ける医療従事者に適用され,個人が受ける線量の上限値である.わが国における放射線業務従事者の線量限度を表3 21)に示す.線量限度の数値と単位はICRPの各時代の概念により変遷している.現在の線量限度はICRP Publication 60(1990年勧告)を取り入れているが,水晶体のしきい線量の見直しにより26),2021年4月より大幅に引き下げられることになった. 医療被ばくでは,診療の目的を達成するために必要となる線量が,個々の患者の体型,症例の複雑性,手技の難易度などにより大きく異なるため,線量限度を設けることは医療行為の制限となる恐れがあることから,医療被ばくには線量限度が適用されない. 2.8 被ばく状況の3タイプ ICRP Publication 60(1990年勧告)では,放射線防護の行動を「行為」と「介入」に分類している.行為は被ばく線量を増やす活動の総称であり,介入は行為に対するもので,被ばく線量を減らすような活動の総称であった21). ICRP Publication 103(2007年勧告)からは,被ばく状況のタイプが整理され,あらゆる状況下での被ばくに対応した安全管理の方法,基準が選択可能となるように,「計画被ばく状況」,「緊急時被ばく状況」,「現存被ばく状況」の3タイプに分類された.医療における被ばくはすべてが計画的利用に伴い発生する被ばくであることから,患者や医療従事者の被ばくは計画被ばくに含まれる. 計画被ばくでは,職業被ばくについては線量限度を遵守し,医療被ばくについてはDRLにより患者の被ばくの最 適化を図ることが重要となる.図1医療被ばく防護のための診断参考レベル(DRL) (ICRP. 2017 23) より作図) DRL(75パーセンタイル)施設数 線量