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して,EVARは2%であった975).瘤周囲の肥厚外膜は,外科手術では軽減・消失する例が多く,EVARよりも外科手術の方が尿管通過障害による水腎症の改善が得られやすいと示唆されている. 2.6 感染性大動脈瘤 2.6.1 定義と疫学 感染に起因するすべての大動脈瘤と,既存の大動脈瘤に感染が加わったものとを併せて,「感染性大動脈瘤」と総称している.感染性大動脈瘤は比較的まれな疾患であり,全大動脈瘤に占める割合は0.5~1.3% 997–999)と報告されている.感染源は必ずしも判明しない場合もあるが,齲歯,腸管からのbacterial translocationや,尿路感染からの波及や,歯周病に由来する動脈硬化の増悪などで,まれにカテーテル操作や手術に続発する医原性もある.背景として高齢化に伴う易感染性の危険因子増加も指摘されている.糖尿病や悪性腫瘍治療,膠原病治療による慢性的免疫機能低下も重要な危険因子である. 感染部位としては,胸部大動脈に生じるものが32%で,腹部分枝に隣接する腹部大動脈が26%,腎動脈以下の腹部大動脈が42%と,腎動脈下大動脈に多い1000). 起炎菌に関しては,ブドウ球菌を主としたグラム陽性球菌,あるいはサルモネラ菌を主としたグラム陰性桿菌が多いと報告されている.Mayo Clinicからの報告1000)では50%がグラム陽性球菌(ブドウ球菌30%,連鎖球菌20%), 35%がグラム陰性桿菌(サルモネラ菌20%,大腸菌15%)であったが,台湾大学からはサルモネラ菌が76%を占め,グラム陽性球菌は10%程度であったという報告があり1001),起炎菌に関しては地域性があると考えられる.また,頻度は低いが抗酸菌や真菌によるものもある. 致死率は23.5~37%と報告されており,非感染性大動脈瘤に比してきわめて高く1002),その主要な原因は大動脈瘤破裂,術後であれば吻合部などの破綻,または,敗血症による多臓器不全である. 2.6.2 診断 多くの症例で発熱や背部痛などの自覚症状が発現する.血液検査上の炎症所見の亢進もみられるが,非特異的所見に留まる.AAAの場合,拍動性腫瘤を触知することもある.画像診断としては,特に造影CT検査の診断精度が高いが,腹部領域ではエコー検査も有用である.感染徴候を呈する患者において大動脈瘤が発見された場合は,感染性大動脈瘤を常に考慮しなければならない.画像診断上の感染性動脈瘤の特徴として,限局した嚢 状瘤を形成することが多いといわれているが,既存の紡錘状瘤に感染を併発している場合もあり,形態のみから感染の合併を判断することは困難である.しかしながら,大動脈瘤周囲の液体貯留は炎症による浮腫,あるいは膿瘍形成を示すものであり,感染を強く疑わせる所見である.また経時的に観察していて急速に拡大する場合は,やはり感染性大動脈瘤の可能性が高い. 術前の血液培養は適切な抗菌薬選択のために必須の検査であり,感染性心内膜炎の診断に準じて複数回採血すべきである. 2.6.3 治療 a. 抗菌薬治療 感染性大動脈瘤が診断され次第,培養検査の結果に応じて強力な抗菌薬治療を開始する.抗菌薬治療に対する反応が良好で感染徴候がすみやかに軽快する場合は,十分な期間抗菌薬の投与を行い,可能であれば炎症反応が陰性化してから手術に臨むことが理想的ではある.一方で,炎症反応が沈静化しているように思われる場合であっても,常に大動脈瘤破裂のリスクがあることを念頭に置き,大動脈瘤の形態や経時的な拡大傾向に注意しながら,手術時期を逸しないようにする.破裂例は当然であるが,急速な拡大が見られる場合は,たとえ感染の制御が不十分であっても早急な手術を検討する.また,適切な抗菌薬投与にもかかわらず感染の制御が不良な場合も,早期の手術が必要である. 大動脈瘤そのものが小さくて手術適応がなく,抗菌薬治療によって感染が消退した場合の手術の必要性については,一定した見解はない. b. 手術i. 術式 感染性大動脈瘤の手術においては,大動脈瘤切除により破裂を予防し,感染巣を除去するという2つの目的を同時に達成するため,通常の大動脈瘤手術と異なり,大動脈瘤を含む感染組織を可能な限り除去する必要がある.胸部大動脈における食道瘻,あるいは腹部における十二指腸瘻を伴う症例では,消化管の修復または切除が必要となることが多い.さらに,人工血管とその吻合部や大動脈断端への感染の波及を予防することが重要である. 再建方法に関して,腎動脈下の感染性大動脈瘤に対しては,以前には感染巣内に人工血管を移植することを避けるため,大動脈瘤の前後の大動脈を閉鎖し,腋窩動脈–大腿動脈バイパスによって下半身の血行を再建するという非解剖学的バイパス術が標準術式とされていたが,近年では,