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p.84 抽出テキスト

type I:SGとlanding zoneにおける血管壁の間を通じた瘤内への血液の漏出であり,中枢側(Ia),末梢側(Ib), aorto-uniiliac SGのiliac plugに起きるエンドリーク(Ic)に分類される.高い圧の血流が瘤内に流入するため瘤破裂をきたしやすく873),すみやかに加療しなければならない. type Iエンドリークの治療は,SGを追加し,landing zoneを延長するか874, 875),延長できるlanding zoneがない場合はバルーン圧着やベアメタルステントを追加する875–877).中枢側においてはsnorkel/chimney法によるlanding zoneの延長が有効なこともあるが878),無効な場合はopen conversionを考慮する.

type II:分枝(側副血行路)からの逆行性血流であり,腰動脈や下腸間膜動脈が主な原因となる.ESVSガイドラインでは下腸間膜動脈由来(IIa),腰動脈由来(IIb)に分類される321).自然消失することも多く,破裂の可能性は低い(1%未満) 854, 879).type IIエンドリークは18%に出現, 5%は持続し,11%は経過中に新たに発生する879).予測因子として年齢や性別,デバイス,内腸骨動脈のコイル塞栓の有無,末梢側延長,瘤内血栓,ならびに腰動脈・下腸間膜動脈の数や径から生じる解剖学的要因などがある879–882).治療の適応はいまだ確立されていないが472),経動脈的あるいは直接穿刺して塞栓術を行う883).塞栓物質としてNBCA(n-butyl-2-cyanoacrylate)やコイルがあり,いずれも成功率は高いが,介入のタイミングや治療効果のエビデンスは乏しい883–885).近年ではEVARを行う際に同時に下腸間膜動脈を塞栓することによりtype IIエンドリークが減少するという報告もある859).

type III:SG間の接合部分(IIIa),あるいはファブリックの破綻(IIIb)による血液の漏れである.type Iと同様にすみやかな治療が必要であるが,SGによるreliningなどで対応できる.

type IV:SG自体からの血液の漏れで,「EVAR後30日以内のリーク」と定義されている886).血栓化することが一般的であり,通常は再治療の必要はない.

type V(endotension):画像診断上は明らかなエンドリークを認めないが,瘤拡大をきたすものである.その機序として,グラフト透過性の亢進やグラフトを介して直接圧が伝達することなど,諸説がある887). ii. ステントグラフト閉塞

1.4~8%の確率で起こるとされており888–895),危険因子として腸骨動脈の屈曲石灰化,15%以上のオーバーサイジングなどがあるが888, 890, 896),外腸骨動脈landingが最も高リスクであると報告されている430, 888, 893). iii. landing zoneの大動脈径の拡大

24.6%の頻度で起こるとされる343).中枢landing zoneの大動脈径の拡大はSGのずれやtype Iエンドリークと密接

な関係がある343). iv. デバイスのずれ(migration)「当初の固定位置と比較して10 mm以上の移動」と定義される897).中枢側のずれの危険因子として,大きな瘤径,短いlanding zone,landing zoneの急峻な角度,SGサイズが挙げられている884, 898, 899).末梢側のずれはオーバーサイジング(>30%)やlanding zone(<20 mm),フレアリムの使用が危険因子となる900–903). v. open conversion

急性期と遠隔期に分けられる.急性期のopen conversionはアクセスの問題,バルーンによる破裂,SGのずれ,腎動脈閉塞,SG血栓,SG留置不成功などが原因であり, EVAR導入初期には16%の患者にみられた904).その後のデバイスの改良により著明に減少し,EVAR 1試験では2.5%,DREAM試験では1.8%であった.遠隔期のopen conversionはエンドリークに起因することが多い.エンドリークの多くは血管内治療で対応可能であるが,その後に瘤拡大が続く場合はopen conversionの適応になる.当初はSGを完全除去していたが,その成績は不十分であった.近年,SGを部分的に除去するようになり905, 906),その成績は向上している890, 894, 895).現在はSGをすべて除去する必要はなく,不具合のある部分を治療することが基本である. vi. ステントグラフト感染

0.6%に発生し907),背部痛や発熱をきたすことが多い908).診断にはCT,Gaシンチグラフィ,または保険適用外であるがFDG-PETが有用である909).治療として,感染巣除去のためSGの全抜去が必要であり,再建方法は解剖学的人工血管置換あるいは非解剖学的人工血管バイパスに加えて大網充填を行うことが多いが910),院内死亡率は依然として高い907).リファンピシン浸漬人工血管やホモグラフトが用いられることがある911).

二次性大動脈消化管瘻の場合は吐血や下血をきたす.大動脈消化管瘻は十二指腸に最も多く,約8割を占める912).治療ではSGの全抜去と,瘻孔をきたした消化管の切除と再建を要する(第8章の「8.1.4. 治療」P. 165~を参照). f. 術後フォローアップ

前述した特有の合併症や遠隔期での破裂の報告があり,生涯にわたるフォローが必要である.JACSMでは術後(退院時),術後1ヵ月,(1ヵ月の時点でエンドリークを認める場合は3ヵ月),6ヵ月,1年,その後は年に1回の画像フォローアップが推奨されている. g. 傍腎動脈腹部大動脈瘤

傍腎動脈AAAはsuprarenal(腎動脈上)AAAとjuxtare-