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を得る場合があるが,この際にも(上腸間膜動脈からの)側副血行を確認のうえ,単純閉鎖,バイパスなどによる血行再建を考慮するべきである.また長区間(≧200 mm)のTEVARにおいては脳脊髄液ドレナージが脊髄神経合併症の減少に有効であるとの報告が多い366–371). TEVARにおけるアクセスは,そのシース径が極端に太いため(最大内径24 Fr,外径27 Fr),シース挿入部位(多くは大腿動脈,場合により総腸骨動脈,腹部大動脈から挿入される)は慎重に選択されなければならない.また,この極太シースの挿入にはきわめて硬いガイドワイヤーが必要で(多くの場合Lunderquist ®ガイドワイヤー),このワイヤーをガイドにしてシースとデバイスを目的部位に挿入する.pull-through wire(through-and-through wire)は脳合併症,血管合併症の観点から,単純なTEVAR施行には推奨されない407).さらにSG留置時には,目的位置への正確な留置のため,心拍出量の低減化が最も効果を発揮する.薬物による降圧よりrapid pacingが推奨される389, 408, 409). 2.1.4 成績と合併症 2016年の本邦におけるTEVAR治療5246症例の急性期治療成績(NCD-JACSM追跡調査)では,院内死亡は4.8%,脳卒中は4.0%,SCIは2.7%である.解離と非解離との間で大きな差はないが,中枢側landing部Zone 0~2 (弓部)とZone 3以遠(下行)において脳卒中発生率に大きな差を認める(7.6%対1.6%) 410).本邦における待機的TEVAR後の中間期成績は1,3,5年の生存率が80.7%, 66.9%,56.9%,動脈瘤関連死亡回避生存率が97.8%, 95.9%,94.2%と,比較的安定した成績となっている. 術後の合併症としては,1逆行性A型大動脈解離を代表とする急性大動脈症候群の発生,2エンドリーク(type I ~ V,図52),re-entry flow 342),3脳卒中,4SCI,5アクセストラブル,6局所性DIC(消費性凝固障害)などが挙げられる372, 411–415).生命予後やQOLに直接的に影響が及ぶ1, 3,4については,術前における高リスク症例の選別と術中・術後の予防策が必要である341, 363, 366–369, 378, 407, 414, 416–422). なお,胸部大動脈疾患に対するTEVARは,いまだその歴史が浅く,外科手術や保存的治療との比較により適応,方法においてさらなる変革を遂げる可能性がある.グローバルな領域において比較検討の対象となるためには, TEVAR施行における適応(分類),方法,フォローアップを含めた各データが定まったフォーマット(reporting standard)に沿って記録されるべきである339).図51 大動脈のステントグラフトlanding および移植範囲 のZone 分類中枢側・末梢側 landing zone およびステントグラフト移植範囲はこの Zone 分類を用いて記載する. 図52 TEVAR/EVAR 後のエンドリーク分類A I: 動脈壁とステントグラフト(SG)の接合部分からの血液漏れで瘤内に血液が流れ込むものa:中枢側からb:末梢側からII: 大動脈瘤の側枝(肋間動脈,腰動脈,下腸間膜動脈,正中仙骨動脈など)から血液が逆流して瘤内へ流れ込むもの. IIIa: SG-SG間の接合部分からの瘤内への血液漏れ. IIIb: SG-ファブリックの破損などにて瘤内に血液が流れ込むもの. IV: SGのポロシティ(人工血管基布に開いている小孔)からの血液漏れ:通常は抗凝血薬を中止すればなくなるはずのエンドリーク. V: 瘤内に血流が認められないにもかかわらず,瘤が拡大傾向を示すもの. B TEVARによる entry 閉鎖後の re-entry flow Ia Ib III IV V II A B